明治カップ<最終日>
▽5日、北海道・札幌国際CC島松C(6490ヤード、パー72)▽曇り、気温21・4度、風速2・9メートル▽賞金総額9000円、優勝1620万円▽52選手(うちアマ1人)▽観衆3173人
今年の全米女子プロ選手権覇者のフォン・シャンシャン(中国)が通算7アンダーで並んだアン・ソンジュ(韓国)、諸見里しのぶ(26)=ダイキン工業=とのプレーオフを制し、大会連覇を飾った。日本ツアーでは、5月のヨネックスレディス以来の今季2勝目、通算4勝目。激しいV戦線の裏では、遅延プレーへの2罰打が競技委員会の不手際により取り消される珍事があり今後、物議をかもしそうだ。
遅延プレーによる2罰打を食らい、通算イーブンパーで競技を終えたはずだった川原由維(33)のスコアが突然訂正された。ペナルティーは取り消され、トリプルボギーだった15番はボギー。18位だった順位が、一気にベストテン入りの9位に変わった。
競技委員会の不手際があった。2罰打取り消しの理由を、江間陽子競技委員長は「計測前に競技委員がイエローカードを提示していなかったと川原選手から抗議があった」と説明。今季から、遅延プレーには、警告としてイエローカードを提示。「計測に入る場合は必ずカードを提示する」と選手に約束していたが、これがなかった。
川原がいた組は前半から、前の組との間隔を空けていたので、8番で競技委員が口頭で注意。その後いったんはペースが改善されたが、12番で再び遅れたため、別の競技委員がプレー時間を計測した。川原のプレー所要時間合計は、ペナルティー対象の131秒以上を超える151秒。15番が2罰打の対象となったが、どちらの委員もイエローカードを提示していなかった。
ところが、スコアカード提出前に川原が猛抗議し、認められた。江間競技委員長は「大変難しい判断でした」と話したが、ゴルフはプレーヤー自身が審判。ルール違反をした者が、こんなことで罰を免れていいのか。この決着には、選手、関係者の間でも疑問の声が多かった。
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