ベラルーシ:空からテディベア800個 人権改善訴え
毎日新聞 2012年08月05日 21時53分
【モスクワ田中洋之】旧ソ連・ベラルーシで先月、隣国リトアニアから無許可で飛来した軽飛行機が、人権改善を訴えるメッセージ付きのぬいぐるみ「テディベア」を約800個投下する“事件”があった。「欧州最後の独裁者」と呼ばれ厳しい国家管理体制を敷くルカシェンコ大統領は、“大失態”の責任を取らせる形で国境警備委員長と空軍の防空司令官を7月31日に解任。今月2日に任命した新たな国境警備委員長に対し、武器使用を含むあらゆる手段で国境侵犯の再発を防ぐよう指示した。
現地からの報道によると、先月4日、スウェーデンの広告会社に勤める2人が搭乗した軽飛行機が、リトアニア南部の飛行場を離陸。ベラルーシ領空を1時間半にわたって飛行した。同国の人権活動家支援のほか、ルカシェンコ体制の面目をつぶすのが目的だったという。
政権側は投下されたテディベアの写真をネットで公開した地元学生を逮捕するなど国内の締め付けを強化している。