野田佳彦首相は3日、原発再稼働への反発の広がりに「反対の立場の方もぜひ(意見を)お聞かせいただきたい」と述べ、首相官邸前の抗議行動に参加する団体の代表者と面会する考えを示した。「民意軽視」の批判を受けて重い腰を上げたが、再稼働を見直す考えはなく、対応次第では反発を広げる可能性もある。
抗議行動を呼びかける13の市民団体や個人による連絡組織「首都圏反原発連合」の代表者と面会することで調整。首相は3日の内閣記者会のインタビューで「遠くない将来に実現できる」と表明した。来週中にも実現する見通しだ。
3月末から毎週金曜日に繰り広げられる抗議行動に対し、官邸内では「原発が再稼働してしまえば収束する」(スタッフ)とみていた。市民団体からの面会要請に、首相は「一つ一つデモの皆さまにお会いすることは前例がないし、そういうやり方が望ましいかどうかは別だ」と断ってきた。