活断層:富士山直下に「M7級」か…「山体崩壊」の恐れも

毎日新聞 2012年05月10日 20時27分(最終更新 05月10日 22時38分)

地層のずれが見つかった場所
地層のずれが見つかった場所

 富士山(標高3776メートル)直下に、阪神大震災(95年)に匹敵するマグニチュード(M)7級の地震を起こす活断層がある可能性が高いことが、東京大地震研究所を中心とした文部科学省の委託調査で分かった。強い揺れで斜面の土砂が大量に滑り落ちる「山体崩壊」につながる恐れもあり、調査を続ける。

 富士山付近は火山灰などに覆われて「地表のずれ」が見えず、これまで活断層の調査が難しかった。地震研究所の佐藤比呂志教授らは昨年、特殊な車で地中から反射する振動を調べる方法で、深さ約10キロまでに活断層がないかを調べた。

 山梨県富士吉田市から神奈川県箱根町まで約140キロのライン沿いを調査し、山頂から約20キロ東の静岡県御殿場市付近に、上下幅約1キロのずれを発見。1回だけの地震ではできないほどの大きさで、地震が何度も繰り返される活断層の可能性が高いと判断した。

 ずれは地表近くまで達し、こうした場合一般的にM7級が多いという。推定される断層面は地下へ斜めに潜り込んでいて長さ30キロ、幅十数キロ。だが地震が何年おきに起きるかや、最近いつ起きたかは不明だ。【野田武】

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