公にされた論文に対して批評・批判することはあって当然のことである。そして批評・批判を受けた当事者が、それに対して反論するのも、無視するのも自由である。
一番まずいのは自由な議論に対して蓋をしようと弾圧するかのような姿勢をとることである。
一昨日、「通所介護の新個別機能訓練加算�兇琉嫐�」という記事を書いて、「相談援助&運営管理」（日総研出版）8月号の、「通所サービスにおける時間区分の変更の解釈と加算算定」という小論文に対する批判的な論評を書いた。
ただしこれは同論文の中に書かれている通所介護の個別機能訓練に対する解釈が違うという批評であり、個人を非難中傷するような内容ではない。
しかし同時に僕は、同じ冊子に連載をしているので、一応僕の編集担当者に、ブログ記事を書く前にメールで告知しておいた。そのメールは次のとおりである。（送信済みアイテムに入っているものをそのままコピペしたので、送信した全文である）
おはようございます。「相談援助&運営管理」8月号が送られてきましたが、その中の82ページ社会福祉法人池上長寿園・たまがわ事業部門の石井南代表の、「通所サービスにおける時間区分の変更の解釈と加算算定」という小論文に書かれている、新しい個別機能訓練加算�兇硫鮗瓩牢岼磴辰燭發里任△襪隼廚い泙后�
このような理解が広まるのは非常に問題です。本日の昼休みに更新するブログ記事に問題提起します。こういう論文が貴誌に掲載され、誤った解釈が広がるとすれば非常に残念です。
↑残念という感想は書いているが、だからといって、石井氏個人や出版社に何か対応を求めたものではないことがよくわかると思う。
それに対し、僕の編集担当者とは異なる石井論文の編集担当者の上司と名乗る人物から昨日メールが送られてきた。僕は今朝、この内容を読んで非常に無礼極まりないメールであると感じた。挨拶の部分を省いた内容は次のとおりである。
さて、ブログ拝見しました。
率直な話、ちょっと強引が過ぎるのでは？と感じました。
よく読めば誤解と推測で批判されていることに気づきますよね。
（よく読まない人が多いのが問題なのですが…）
石井さんにも読んでもらったのですが、
特に怒るわけでもなく、いろんな考えがあるから難しいのよねえ、ということで、
特に何かの行動を起こすつもりはないとのことでした
石井さん自身がそんな感じだし、
当方としてもお詫びや訂正を掲載するようなことでもないし、
あとは菊池さんの良識にお任せしますので、今一度読み返してみて下さい。
それにしても批判をするというのは難しいことですね。
それなりの技術と準備が必要になります。
そもそも出版社や執筆者に何も対応を求めていないのに、こういうメールを送ってくる意図がわからない。
「よく読めば誤解と推測で批判されていることに気づきますよね。」と書いているが、僕はよく読んで、具体的に解釈が違うという箇所を指摘しているのに、このメールでは良く読めば何がわかるのかが一言も書かれておらず、かつ「よく読まない人が多いのが問題なのですが…」と僕個人を非難中傷している。さらに「それにしても批判をするというのは難しいことですね。それなりの技術と準備が必要になります。」と僕にその技術と準備がないと決めつけている。ではどうしてそんな人物に連載記事を依頼しているんだろう。そんな人物には連載をやめさせればよいではないか。
（※自社の冊子の執筆者の苗字の表記を間違っているのも失礼な話である。）
僕の論評を、「ちょっと強引が過ぎるのでは」と書いているが、僕は指摘しているのは主に2点の誤った解釈で、まず、「私たちの通所介護サービスも、リハビリテーション的な視点を持って実施しなくてはならないということです。」と書いている点が違うと主張している。
医療系サービスと福祉系サービスでは、前者が「リハビリテーション」、後者が「機能訓練」と区分されて法令に表記されているんだから、石井論文のこの部分の意味は、通所サービスに関して言えば、通所介護の機能訓練が、通所リハビリのリハビリテーション的な視点を求められるという意味と解釈せなばならないし、多くの読者がそう思ってしまうだろう。それは違うと指摘しているのがどうして強引なんだろう。
2点目も「報酬包括された機能訓練では求められなかった新・機能訓練加算�供廚了残衢弖錣鯣羈咾垢覿饌領磴法∧發韻襪里房岼愡劼鮖藩僂垢詆堙�切事例を挙げているので、そんな計画で今まで加算算定した事業所があったのか?あるいは執筆者の事業所でそんなことを行なっていたのか？という根拠に対する疑問符を投げかけた上で、それは違いますよと論評しているに過ぎない。
どこが強引すぎるのか？
「当方としてもお詫びや訂正を掲載するようなことでもないし」って、最初からそんなこと求めていないだろうに。執筆者がそれに対し反論しようが、無視しようが、それも自由だって。
単に執筆者が反論したり、考えを変えたりするつもりのないことを連絡するなら、それだけ書いて、いちいち僕を批評するような言葉を、編集者代理という立場である人が書いてくれる必要はないと思う。それだけだ。
根拠も示さず、個人を中傷する文言を含めたメールを送りつける行為は、言論の自由を何よりも大事にすべき出版社に勤める人が行なってよい行為なのだろうか。
僕はこのメールは非常に無礼だと思うし、不快な思いをした。これは僕の素直な感想であり、動きようのない事実である。
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その後、メールが新たに送られてきたので附記します。
・「何かの行動を起こすつもりはない」という表現ですが、記事に明らかな間違いがあれば訂正文を出さないといけませんが、そういうことではないし、かといって先のメールに書いたように、「強引が過ぎるのでは…」という思いはありますが、それで正式に訂正を求めるようなこともしない、という意味です。
↑こういう意味だそうです。普通、こうした論文批評に「訂正を求めるようなこと」をするんでしょうか？その前に反証すれば良いと思いますけどね。
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