文部科学省がいじめを苦にした児童生徒の自殺などが起きた場合に、学校と教育委員会が原因や背景事情を速やかに調査できるよう支援する「子ども安全対策支援室」を設置した。いじめという言葉が犯罪性を曖昧にしているが、実際は暴行、傷害、恐喝、強盗だ。特に最近のいじめでは、加害者が被害者から金銭を強奪するケースが目立つ。どう対処すればいいのだろうか。
大金がからむいじめについて、元暴走族メンバーで不良少年の実態に詳しい事情通はこう語る。
「弱者をゲーム感覚でいじめるというのは昔もありましたが、今ほど集金とリンクしていませんでした。パーティー券や上納金などで少額を大勢から集めるというのが昔の不良のやり方。今は大勢からお金を集めるだけの統率力がある不良が少ないから、特定の弱者を死ぬまで食い物にしてしまうのでしょう」
最近では、万引きを強要するなど、楽して金を作るためにいじめをするケースが目立つ。
本人訴訟コンサルタントの野島茂朗氏は「景気が悪くなって、子供のうちから金儲けの悪知恵とか楽して稼ぐ方法を追求するようになってしまったのでしょう」と指摘。
中学生は自分の稼ぎがないため、金銭を強要された被害者は万引きした品物を換金したり、親の財布から金を盗むことになってしまう。金銭がからんでも、相手は「貸した金を返してもらっただけ」という言い逃れをするだろう。被害者の親として、加害者をこらしめる方法はあるのか。
野島氏は「不法行為に対する損害賠償請求裁判を起こすのが良いです。心の傷なども加えた妥当な請求額を弁護士を立てずに本人訴訟で請求すれば、裁判所に納める印紙代数万円で裁判を起こせます」と言う。
普通に生活している人たちにとって、突然、訴訟を起こされるのは天変地異が襲ってきたかのような一大事。いじめにからむ金銭強要は止まる可能性が高くなるという。