高木竜ようやく鬼門突破
2012年08月05日 12時00分
中日にとってやはりここは鬼門なのか。4日のヤクルト戦、今季ここまで1分けを挟んで5連敗と勝ちのなかった神宮球場で、またも苦しめられた。
この球場ではなぜか悪いことが起こる。そう思わざる得ないような展開だった。相手先発はプロ初登板の八木。動揺を誘うように1番・荒木がいきなりかます。左翼線を破る長打コース。レフトのミレッジがクッションボールを取り損なうのを見て荒木は二塁を蹴って一気に三塁を狙う。ところが慌ててボールを拾ったミレッジが三塁へまさかのストライク送球でタッチアウトとなってしまう。続く大島は右前にクリーンヒットで出塁。しかし、けん制におびき出され走塁死(記録は盗塁死)となった。結局、この回2安打を連ねながら無得点。逆にその裏、岩田が先頭のヤクルト・ミレッジに一発を浴びて簡単に先制された。
「やはり鬼門か…」。誰もがそう思った悪い流れを変えたのがベテランの一振りだった。2回、井端が同点の一発を左翼席に運ぶ。「1回の攻撃が少しちぐはぐだったので、早く追いつけてよかったです」
経験に裏打ちされたベテランの好プレーは井端だけじゃない。41歳の谷繁も魅せた。4回、無死満塁の絶好機。左翼フェンス直撃の2点適時二塁打を放ちリードを奪う。「ノーアウト満塁というのは、最初の打者が凡退すると後ろにプレッシャーがかかるので、何とか1人でも返したかった。会心の当たりです」
しかし恐るべき神宮球場。簡単には勝たせてくれない。7回には一時同点とされる。8回二死満塁から代打・野本が2点打し勝ち越しに成功。9回には和田の2ランで勝負を決めた。ツバメの本拠地では今後も苦しい戦いが続きそうだ。高木監督も頭が痛い。