加速できなかったアジアの女王
2012年08月05日 12時00分
【英国・ロンドン3日(日本時間4日)発】陸上競技が第8日からスタートした。女子100メートル予選では第5組に注目の美女スプリンター、福島千里(24=北海道ハイテクAC)が登場。11秒41で5位となり、準決勝進出はならなかった。
ぼう然と電光掲示板を見つめるゴール後の顔にレースのデキが表れた。福島は「持ち味のスタートからの加速がいまいちだった。調整はうまくいっていたけど、結果が伴わなければいけない」と美女スプリンターの表情はさえなかった。
アリソン・フェリックス(26=米国)ら世界トップ選手に必死に食らいつこうとしたが、どんどん離された。
11秒21の自己ベストに及ばないタイムで予選落ちとなった。
しかも、アジア女王の悩みは深い。「言っちゃいけないのかもしれないが、レース勘が足りなかったのかもしれない」。五輪本番を迎える前まで思ったほどレース経験を積めなかった。今季はなかなか調子が上がらずもがいていたが、復調は陸上競技初日までに間に合わなかった。
それでも、まだ得意の200メートル、さらに400メートルリレーが控えている。「100メートルを走ったことで挽回できれば。(全種目の)トータルで考えられれば、立て直すことはできる。この日のためにやってきた。出直したい」と端正なマスクで前を向いていた。