【英国・ロンドン発】ロンドン五輪柔道女子63キロ級で上野3姉妹の次女・上野順恵(29=三井住友海上)が銅メダルを獲得。長女で五輪2連覇を達成した雅恵コーチ(33)に続く“姉妹2冠”には失敗し、試合後に引退を示唆した。所属の柳澤久監督は今後「保険外交員」として営業活動をさせる方針だ。
上野にとってはスッキリしない初五輪だった。準々決勝で丁ダウン(韓国)を相手に2つの指導を受けて敗れ、逆に3位決定戦では相手に2つの指導で銅メダル。2009、10年と世界選手権を連覇した力強い柔道は出せなかった。
上野も「やっぱり金メダルを目指してきたので悔しい」と声を詰まらせた。常に追っていたのは姉の後ろ姿。「お姉ちゃんのように金メダルを取りたい」が口癖だった。
「以前、順恵は不要な練習をやってしまい、オーバーワークになっていたが、最近は姉と同じように必要な練習というものがわかってきた」(貝山仁美コーチ)と“姉化”は進んでいたが、五輪の壁は厚かった。
それでも粘って銅メダル。今後は五輪の思い出を胸にしまい引退が濃厚だ。上野も試合後「これが最後だと思っている。いい思い出になりました」と語った。すでに所属先では引退後の“進路”の方針も決めている。
「いくら柔道が達者でも、食っていかくなくてはならない。引退後の人生の方が長いんだからね。だから、保険を売る資格を取らせるつもりだよ」(所属の柳澤監督)
損害保険会社の三井住友海上だが、生保レディー育成システムも構築してあり、元代表選手の山岸絵美(25)や阿部香菜(24)も取得済み。すでに生保レディーとして同社の支社に勤務している柔道部OGもいる。
柳澤監督は「私の方針は3つ。1つは強くなれ、2つ目は働いて納税しろ、3つめは教養を身につけろです。人からお金もらうだけだったり、柔道バカじゃダメ。働いて納税することで社会の一員になるべきなんですよ。強くても内柴(正人)みたいになったら最悪だから」と説明した。
銅メダルを獲得した上野が“生保レディー”へ転身。近い将来、本紙読者のお宅にも保険営業に来るかもしれない!?