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農家再生の道 肌で学ぶ 仙台・南吉成中、荒浜で草取り

農地の草取り作業に取り組む生徒たち=仙台市若林区荒浜

 東日本大震災で被災した農家の再生に向けた取り組みを学ぼうと、仙台市青葉区の南吉成中の生徒たちが7月26日、若林区荒浜の綿花畑を訪れ、草取り作業に励んだ。
 総合学習の一環で、1年生約100人が参加した。津波で186人が犠牲となった荒浜の宅地跡を見学した後、「東北コットンプロジェクト」としてアパレル関連企業と被災農家が共同で栽培している綿花畑約1.2ヘクタールで汗を流した。
 農作業体験は、沿岸部と内陸部で震災への意識の「温度差」が広がっていることを危惧した学校側が提案した。7月18日には荒浜の農家渡辺静男さん(61)が同校で講演し、震災当日の体験や被災した水田を綿花畑として再生した経緯などを説明した。
 26日の作業で、ほかの農家とともに生徒たちを指導した渡辺さんは「元気な子供たちの姿を見ると力が湧いてくる」と喜んだ。「実際に被災地に来てみないと分からないことがある。情報が氾濫する時代だが、生きるために必要な何かを感じ取ってほしい」と語った。
 震災後、初めて荒浜に来たという野上楓斗(ふうと)君(13)は「(復興関連の仕事をする)父から被災地の話は聞いていたが、本当に跡形もなくなっていて驚いた。草取りだけでなく、ほかに何か役に立てることができないだろうか」と話した。


2012年08月05日日曜日


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