ロンドン五輪・サッカー男子準々決勝(4日、U-23日本3-0U-23エジプト、オールド・トラフォード)チャラ男がまたゴールだ! 2点リードの後半38分、MF大津がMF扇原のクロスを頭で合わせた。両手を広げ、白い歯をむき出しにして喜びを爆発させた。
「気持ちよかった。タカ(扇原)からすごくいいボールがきた。あいつのキックはいいんで、信頼している。ケンちゃん(永井)が(先制点を)取ってくれて、やりやすい形になった」
試合会場はマンチェスターUの本拠地・オールドトラフォード。かつてマンUに所属した元イングランド代表MFベッカムに憧れていた大津にとっては、異名通りの「夢の劇場」だ。
強豪スペインとの開幕戦で、前半早々に左足首を痛めた。それをこらえて決勝点を奪ったが代償は大きく、試合翌日には関係者に「象のようです」と漏らすほど腫れ上がった。それでも、その後の試合にすべて先発。44年ぶりの4強入りに貢献した。
そのスペイン戦は勝利に号泣したが、この日は涙はなし。「もう泣かないっす。泣くのは決勝までとっておきます」。左耳にピアスが光る風貌もあり、“チャラ男”のあだ名がつく大津がキリリと口元を引き締めた。
準決勝の相手はメキシコ。7月21日の五輪前最後の強化試合で対戦し、途中出場した大津は1-1の後半42分に決勝弾を決めている。目標はあくまでも金メダル。再び中米の雄を撃破し、新しい歴史を作ってみせる。
(紙面から)