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【グラニュース】


悪夢振り払う5発大勝

2012年8月5日 紙面から

名古屋−神戸 後半43分、チーム5点目のゴールを決め喜ぶ名古屋・闘莉王=瑞穂陸上競技場で

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 名古屋グランパスは闘莉王が4点を挙げる活躍で神戸に大勝。8位から5位に浮上した。仙台が横浜Mと引き分けて勝ち点を38とし、首位に返り咲き。広島は清水に競り負け、同37で2位に後退した。浦和はFC東京と引き分け、同35で3位。磐田は川崎と引き分けた。

◆名古屋5−1神戸

 万雷の拍手と闘莉王コールを全身に浴び、何度も拳を突き上げた。「何より札幌戦が頭の中から離れなくて、情けなくて、今日勝ってチャラとはいかないけど、とりあえず取り返した感じはします」。本職はDFの闘莉王が、FW起用3試合目で驚異の1試合4発。最下位に敗れた前節札幌戦の悪夢を振り払い、止まらない汗をぬぐった。

 もはや超人というしかない。前半2分に小川のクロスに飛び込みヘッドで先制。同38分にはドリブルで持ち込み、藤本とのパス交換から右足で決めた。後半5分には金崎のシュートのこぼれ球を押し込んでハットトリックを達成。同43分には相手DFの間で田口の右クロスを冷静に胸トラップし、左足で押し込んだ。

 ハットトリックは浦和時代の08年7月の東京V戦以来4年ぶりだが、このときはすべてセットプレーから。この試合では流れの中から頭、右足、右足、左足と決めて見せた。そして、DF登録選手の1試合4得点は20年目のJリーグで初の快挙だ。試合後、通り掛かった神戸FW大久保に「6点取れたぞ。記録作れ、記録」と苦笑混じりに声をかけられたが、記録は作っていた。J1通算得点はDFとして断トツの56得点に伸ばした。

 ただ、闘莉王の信条は自身の得点よりも勝利だ。故障者が続出する今季は、筋肉に負荷をかけるオーバーラップの頻度を減らした。毎年のように負っていた太ももの肉離れは泣きどころだが、自分まで故障してはチームは沈む。川崎トレーナーは「去年までとは意識が変わった。ランニングの量にしても、自分で考えて調整している」と証言する。そして今季、チームで唯一フルタイム出場を続けている。

 それでも、7月21日の復興支援試合で右太ももを強く打撲。ここ2戦は痛みをこらえながらのプレーだった。「それでもオレは全力でプレーするよ。なんのために高い金もらってるか、考えなくちゃいけない」。あふれ出る闘志と責任感に支えられて立つピッチ。「いきなりFWやらされて、心の準備もなくやっている」と苦笑しながらも、その表情は充実感に浸っていた。 (宮崎厚志)

 

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