グラントルの墓地

グラントルの動乱

グラントルの動乱。当時、「小説家になろう」に存在したS氏のアカウント剥奪事件に端を発し、神聖グラントル消滅までに起きた一連の事件である。



 ◇ ◆ ◇



 【崩壊への序曲】

5月14日。発端となるS氏アカウント剥奪事件が発生する。罪状は年齢詐称及びイラストの盗用と推測される。
この日、後に「グラントルの動乱」を引き起こす事となる神聖グラントルは体調不良により、この事件を確認出来なかった。
この事実を確認したのは翌5月15日の深夜だった。



 【企画の乗っ取り】

事実を確認したのは某氏の活動報告で、である。
そこに書かれていた内容は、S氏が主催する「一般企画:T.G.C」の中止宣言であった。
これを受け、神聖グラントルはその企画を引き継ぐ形で「一般企画:N.T.G.C」を始動する。
これにより、2chの監視対象となる。



 【「隙コメント」 ――動乱勃発――】

それは5月17日の事だった。
某氏の活動報告にS氏の最後の挨拶文が掲載される。
ここにS氏への最後のメッセージとして添えたのが後の「隙コメント」と呼ばれるコメントであった。

『妬んだ愚かなアンチは隙を突いて運営を動かした
人を消すことでしか自己満足を得られない愚かなアンチは隙という隙を突いて運営を動かした
運営はアンチの通報を受け、聖騎士さんを抹消した
組織は大きくなれば大きくなるほど「責任」も圧し掛かってくる
そして、大きくなればなるほど利用者(ユーザー)との間は広くなる
毎日のように寄せられる大量の通報に運営は忙殺され、抹消という判断をした
今回の事は妬みと大型化が招いた悲劇
……まだ分からない事が多くありますが……
色々と有難う御座いました
勝手に聖騎士さんへのメッセージを書いてしまいました。すいません』

これが思いもよらぬ事件――そして、「グラントルの終焉」をもたらすのだった。



 【グラントルの動乱 ――炎上――】

「隙コメント」投降後、活動報告は炎上を開始する。
神聖グラントル側も事態収束に動くのだが、複数相手にかなうハズもなく、ただただ攻められ続けるだけであった。



 【グラントルの動乱 ――裏切――】

それは間もなくの事だった。
ツイッターが監視されてるとの報告を受け、ツイッターは鍵アカウントとし、フォロー許可を得た者のみにしか表示できないようにした。
だが、それでも情報は漏れ続け、次第にますます不利な状況へと展開する。
ツイッターに2chと通じた「内通者」がいるのは明らかだった。
そして、活動報告にも2chに寝返るユーザーが出現。
神聖グラントルが疑心暗鬼の状態となるのは必然であった。



 【グラントルの動乱 ――分離――】

動乱開始後、神聖グラントルの対応の悪さに交流を切るユーザー・アンフォロー者が続出。
次第に孤立を深め、単独戦となってゆく。神聖グラントルは去りゆく仲間を追う事は出来なかった。

1人になっても、全てに打ち捨てられても、逃げる事は許されない。
早期収束への焦りが更に動乱を拡大ゆくのだった。



 【グラントルの動乱 ――逃走――】

それは許されるハズのない逃走だった。

終わらない活動報告の炎上。事態は悪化の一途をたどり続ける動乱。離れゆく仲間達。2chに「アホーリー」のレッテルを貼られ、弄ばれる神聖グラントル。
もう、全てに歯止めが効かなかった。
だから、だった。神聖グラントルは遂に逃走を計る。許されるハズのない逃走を――……

小説家になろう運営の定める規約にこのようなものがある。

14条-16
「一人が複数のアカウントを保有する行為又は複数人が1つのアカウントを共同して保有する行為。ただし、当グループが別に認めたものを除く」

グラントルは「神聖グラントル」というアカウントを保持しながら、「プルディシア」というアカウントを作成する。
そう、この日、グラントルは規約違反者となったのだった。

複垢習得は悩んだ。規約を犯すという恐怖と露見した時の恐怖を抱いていた。
だが、この動乱の収束不能という判断を下したグラントルは「プルディシア」を作成してしまった。
これが5月21日であった。動乱開始から7日が経っていた。
もう、精神的に追いやられ、逃げ出す事が頭を支配していたのだ。
絶望の果ての希望を見い出せなくなっていた。

粘着が、裏切りが怖かった。
先に消されたS氏も粘着されていた。
神聖グラントルには裏切りの内通者もいた。
偽りの絆と囚人のごとく監視されるのに恐怖を抱いたのだった。



 【グラントルの動乱 ――退会――】

露見を恐れつつもプルディシアは完成した。いや、完成してしまった。
――もし、プルディシアが完成する前に「謝罪」をしていたら、まだ違う歴史が存在しただろうか――?

神聖グラントルは全面的な謝罪をした。無駄と思いつつ、謝罪したのだった。
だが、それは思わぬ展開を見せた。
来るコメントはどうせ罵詈雑言ばかりであろう、そう予測していた。
だから、『すぐにアカウント消す』と宣言したのだった。
だが、やってきたコメントはその予測を大きく裏切る内容だった。
やって来たコメントは謝罪を認めるものであった。

この時、プルディシアを消す事も考えた。
だが、ウィキに晒され、人心は離れ、「神聖グラントル」で破壊の限りを尽くしたグラントルに「神聖グラントル」での再生は不可能だった。
だから、実行したのだ。

――「神聖グラントル」の削除、を。