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東日本大震災(福島原発)(ニュース特集)

原発所長「本店、大変、大変」 東電のテレビ会議映像

 福島第1原発の緊急時対策本部の壁面に設置されたテレビ会議システムのモニター。モニターの間には撮影用のカメラがある=2011年5月(東京電力提供)

 原子炉建屋の爆発に動揺する原発所長や作業員、首相官邸との連絡調整にうんざりした様子の幹部―。東京電力が6日から公開する福島第1原発事故直後の社内テレビ会議映像の一部内容が4日、関係者の証言から判明した。3号機建屋が爆発した際には吉田昌郎所長(当時)が血相を変えて「本店、大変、大変」と叫ぶ場面が記録されている。

 第1原発事故では昨年3月12日、まず1号機の原子炉建屋が水素爆発した。テレビ会議の映像には、免震重要棟2階にある緊急時対策本部が激しく揺れ、余震と思ったのか天井を見上げる社員や、慌ただしく情報収集する技術系幹部らが写っている。

 14日に3号機が爆発した後、2号機でも状況が悪化。2号機での同様の爆発を恐れた吉田所長が本店に「もう至急、外からヘリコプターでも何でもいいので(建屋内にたまった水素を抜くため)穴を開けることを考えて」と懇願する姿も。

 また、12日夜の本店の映像では、首相官邸から戻った武黒一郎フェロー(当時)がうんざりした様子で、菅直人首相(同)を「とにかく怒る人」と評し、官邸中枢とのコミュニケーションの難しさに困惑する模様も記録されていた。

(2012年8月 4日)


■原発事故で相談電話開設 政府や専門の研究機関

 東京電力福島第1原発事故を受け、政府や被ばく医療の専門機関が、放射線の健康への影響などについて市民の相談を受け付ける電話窓口を開設している。

 経済産業省原子力安全・保安院は、原発事故の全般的な状況などの問い合わせに毎日24時間対応する。電話番号は03(3501)1505。

 文部科学省は健康相談ホットラインを開設。放射線や放射線の影響に詳しい相談員が応対する。毎日午前9時から午後9時までで、電話番号フリーダイヤル(0120)755199。

 放射線医学総合研究所は、被ばく医療や、放射性物質が体に付着した場合の除染方法などを解説する。毎日午前9時から午後9時までで、電話番号043(290)4003(11日から)。

 首相官邸のホームページには原発事故に関連する情報がまとめて掲載されている。


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