第十八使徒・涼宮ハルヒの憂鬱、惣流アスカの溜息
一年生
第二十話 怪盗ハルにゃんの事件簿
Episode 01
猫の恩返し
「この話はフィクションです。どこかで聞いた事のあるような名前が出てくるけど、実在する、人物・地名・団体とは一切関係ないんだからね! ……ええっ、もう一度言うの? 大事な事だから二度言えって? 仕方無いわね。この話はフィクションです……」
あたしはミラクル 奇跡の怪盗
盗めないものは無いわ
間抜けなやつら 追いかけて来ても
月を背にひとっ飛び
どかない相手には サマーソルトキック!
時にはパワーも必要よ!
あたしはミラクル 奇跡の怪盗
盗めないものは無いわ
行き止まりに 追いつめられても
華麗にひとっ飛び
<第二新京都市 美術館>
どうやらここは、第二新京都市の美術館らしい。
それでもって、名前は良く分からないがとても高い宝石が部屋の中央のショーケースに入れられていると言うテンプレートな設定になっている。
「アスカ、準備出来たよ」
「惣流警部補って呼びなさい!」
さて、テンプレート通りなら、安物のコートに身を包んだ刑事が登場するところなのだが、出て来たのは紅茶色の髪をした気の強そうな女刑事だった。
どうせ上司にたてついて出世コースから外されているだろうと言う裏設定から身分は警部補どまりである。
ちなみに一緒に居るシンジは刑事でもない平巡査なのだが惣流に便利だからと言って連れ回されている。
まあ、この際二人の階級など関係無い。
問題はこれから現れる宝石泥棒を捕らえるために万全の警備をして待ち受けていると言う事だ。
「予告状なんてなめた真似してくれるじゃない」
「『怪盗猫眼石』って言って猫眼石しか盗まない泥棒なんだってね」
シンジがワザとらしく怪盗の解説をする。
置いてある宝石はもちろん本物の猫眼石ではなく、イミテーションのガラス玉だ。
古泉のやつが本物を家から持ってくると言い出したとき、ハルヒは精巧に作られたイミテーションを持ってくるように頼んだ。
まあ、俺達平凡な高校生が高価な宝石なんて無くしたら、責任の取りようが無いからな。
「惣流警部補、これだけ人数がたくさん居るんだから、きっと怪盗も捕まるにょろ!」
惣流の前で敬礼したのは朝比奈さんの友達の鶴屋さん。
他にも谷口や国木田、シンジの友達なんかにも警官役で出演してもらっている。
「油断しちゃダメよ! 怪盗はいつ、どこから来るかわからない……ってアンタ何しているのよ!」
アスカは素早い動きでケースを開けて宝石を取り出した制服姿の警官に声をかけた。
「ちょろい警備ね。せっかく予告状まで出したのに味気無いわね!」
「アンタが怪盗猫眼石!?」
惣流が大声で問いかけて、警官達が周りを取り囲む。
「ふん、アンタの逃げ場はないわ。袋のねずみね!」
「あたし、ネズミじゃないんだけどな」
怪盗猫眼石がそう言うと、辺りは一面激しい閃光に包まれて視界がホワイトアウトする。
白紙の紙をアップで撮っている映像だが、これは編集ミスでは無い、激しい光で刺激が強すぎて光誘発けいれんを起こさないようにとハルヒが考えた演出だ。
「怪盗猫眼石の姿が無い! どこへ行ったのよ!?」
惣流が大声で叫んでそう言うのをきっかけに、周りの警官達も惣流と同じように辺りを見回す仕草をした。
「どうやら、まんまと逃げられたようだね」
シンジがため息をついてそう言うと、惣流は思いっきり悔しがった。
「次こそはひっ捕らえるわよ、怪盗猫眼石!」
<第二新京都市 居酒屋>
ここは第二新京都市にある個人経営の居酒屋である。
昼間は定食屋のような事もやっていて、看板娘の三姉妹が居る地元の学生や住民達に愛される店なのだ。
閉店後の店内で落ち着かない様子でため息をつきながらテーブルを拭いているのは、長女のミクル。
奥で機械的に食器を洗っているのが三女のユキ。
「あ、あの子大丈夫かしら……予告状なんか出して、捕まったりしていないかな」
心配していると言うより、カメラで撮影されている緊張でオドオドしていると言った感じのミクルは、奥に居るユキに話しかけるが、ユキは全く返事をしない。
食器を洗う音だけが聞こえるのみ。
「ただいまー!」
そこへ元気いっぱいの様子で戻って来たのは次女のハルヒ。
「よかったあ」
ミクルは安心した様子で胸を手で押さえた。
「バッチリ、盗ってきたわよ!」
ハルヒはそう言って、ミクルに手に持っていた猫眼石の宝石を見せる。
ユキもハルヒが帰って来た事を知って、奥の調理場から出て来た。
「まったく、勝手に予告状を出しちゃうなんて、お姉さん心配したんだよ」
ミクルがほおを膨らませてハルヒをにらみつける。
しかし、その顔は怒った顔と言うよりラブリーだと俺は思うのだが……。
「だって、いつもスリルが足りなくて面白くないと思ったんだもん」
「だからって、一人でやらなくても」
「姉さん単独でやった場合、成功率は50%を下回る」
居酒屋の三姉妹とは表の顔、裏の顔はチームプレイで宝石を盗み取る凄腕姉妹なのだ。
三女のユキがターゲットに関するデータを集める。
次に長女のミクルが犯行現場の事前の下見を行う。
天然ドジっ娘であるミクルを泥棒の一味だと疑う人間はそうそう居ないので警戒されないらしい。
そして逃走経路などの情報を確認したうえで、運動神経抜群のハルヒが盗みに入る。
しかし、今夜は初めてハルヒが一人で強引に盗みに入ったのだ。
「成功したんだからいいじゃない」
「だからって……」
「……」
責めるようなミクルとユキの視線に耐えきれなくなったハルヒは自分の部屋へと戻った。
そこには先日ハルヒが拾った三毛猫、シャミセンが待っていた。
「どうやら、上手く行ったようだね」
三毛猫がバリトン声でしゃべったと驚かないで欲しい。
これはフィクションなのだから吹き替えなのである。
夢を壊すような事を言ってすまん。
でも、現実とフィクションを混同されても困るのであえて言わせてもらった。
「ええ、あんたのおかげで簡単に逃げられたわ」
「その割には嬉しそうじゃないね」
「姉さんとユキがね、いい顔しないのよ」
「君が無茶しすぎたからだろう」
「こうなったらもう一回、一人でやるしかないわ!」
<第二新京都市 宝石店>
「怪盗猫眼石、今度は捕まえてやるわ!」
そう言って警備の任務に就く惣流警部補。
どうやらハルヒはまた予告状を送りつけての犯行を行おうとしているようだ。
「今度は警官に変装して潜り込むなんて真似はさせないからね!」
以前の警備の時はたくさん居た警察官の姿はどこへやら、部屋に居るのは惣流とその部下の碇シンジ二人だけだった。
「いい、シンジ? 猫の子一匹逃すんじゃないわよ!」
惣流がそう言うとタイミング良く外から猫の鳴き声が聞こえた。
気になったシンジが格子窓を開けると、一匹の猫が路地に座っていた。
「ねえアスカ、猫が居るよ」
「このバカシンジ! 言葉通りに猫を探すんじゃないわよ!」
惣流に首根っこをつかまれたシンジは部屋の中に連れ戻されてしまった。
それから惣流とシンジの子供じみた言い争いをして、演技で怒っているのか本当にケンカになってしまったのか、俺も迷い始めた頃、いきなり部屋に怪盗猫眼石が姿を現した。
「ふふふ、猫眼石、頂き!」
「何で!?」
惣流の驚きの声と同時に例によって辺りは一面激しい閃光に包まれて視界がホワイトアウトする。
その直前に目を閉じていたシンジは、あまり目をくらまされずに済んでいた。
シンジは人影が窓の方へ行くのを見て、慌てて窓の方に駆け寄って行く。
「おかしいな、こっちの方へ逃げたと思ったんだけど……」
シンジが少しだけ開いた窓を見てそう言うと、惣流はあきれたように手を振った。
「アンタ常識で考えなさいよ。格子窓を通れるなんて、猫ぐらいしか居ないわ」
「そうだよね……」
シンジはそう惣流に答えたが、しばらく外を眺めていた。
すると、シンジはとんでもないものを見たのか、ものすごい驚いた表情になった。
「ね、猫が! 猫が人間に……怪盗猫眼石に変身した……!」
「アンタバカァ!?」
この猫のような性格の少女、ハルヒは何と本物の猫に変身できるのだ。
確かに、本物の猫に変身できる怪盗なんてミステリー的には反則である。
シンジはハルヒが変身する瞬間を目撃してしまったのだが、惣流にいくら言っても信じてもらえない。
しまいには怒られてしまったのだ、かわいそうに。
<第二新京都市 居酒屋>
「へえ、猫が人間に? シンジって面白いこと言うのね」
「でしょう? 冗談ならもうちょっとマシな事言いなさいよ」
どうやら、惣流とシンジはミクルとハルヒとユキの居酒屋の常連客らしい。
こうしてカウンター席でこの前会った怪盗猫眼石の事をハルヒ達に話している。
しかし、惣流もこの店の常連なら怪盗猫眼石の正体がハルヒだって事に気がついて良さそうなのだが、それは灯台もと暗しという言葉もある。
惣流とシンジは怪盗猫眼石の事を悔しそうに話して帰って行った。
閉店時間を迎えて、三人だけになると気まずい空気が流れる。
二回もハルヒ一人で強引に盗みに入ったからだ。
ハルヒは空気に耐えきれずに自分の部屋へと戻った。
「ワガハイはこの部屋を去ろうと思う」
部屋に戻ってシャミセンにそう言われたハルヒは驚いた声を上げる。
「何で!?」
「君に変身能力を与えたせいで、君達三人の信頼関係にひびが入ってしまった。これはワガハイの望むところでは無い」
そう言って去ろうとしたシャミセンのしっぽをつかんで、ハルヒは必死に訴えかける。
「お願い、行かないで! あたしも姉さんやユキと仲直りするから!」
「……わかった、これからは君一人で暴走せずに協力するんだよ」
シャミセンは落ち着いた声でそう言うと、再び部屋の中に戻って丸くなった。
ここで画面の四隅がぼやけた感じになるが、これはカメラが汚れたわけじゃない。
回想、いわゆるモノローグと言うやつだ。
場面はハルヒが大きな犬に追いかけられているシャミセンを助けるシーンから始まる。
そしてシャミセンを家に連れて帰り、ハルヒが自分の部屋でシャミセンに餌を与えると食べ終わったシャミセンが突然人間の声でお礼を言い始めた。
普通の少女なら不気味に思って逃げそうなものだが、ハルヒは嬉しそうにその現実を受け入れた。
それだけではない、なんと、シャミセンは部屋に置いてくれるお礼に猫に変身できる超能力をハルヒに与えたのだ!
変身能力を受け取ったハルヒはこれを宝石泥棒の仕事に役立てることを考えた。
現在、シャミセンはハルヒの前以外では普通の猫として振る舞っている。
そしてまたシーンは現在の昼間の居酒屋に戻る。
「涼宮さん」
「古泉君!」
前振りも無く現れたこの男、古泉イツキはハルヒと同じ高校に通う男子生徒である。
昼食をとるために定食屋も兼業しているこの居酒屋に顔を出すうちに、ハルヒとは恋人同士の仲になったのだ。
しかし、三女のユキもひそかにイツキにほれていて、不器用ながらも好意をイツキに向けている。
ユキの気持ちに気が付いているのはハルヒだけのようだ。
妹と自分との恋の間に揺れる三角関係という設定があった方が面白いだろうと言う惣流提案のシナリオだ。
古泉はハルヒの事について悩みを抱えていた。
古泉は偶然にも、怪盗猫眼石の正体がハルヒだと言う事を知ってしまったのだ。
平凡な男子高校生であるイツキにはすぐに警察に知らせないと罰せられると言う事は無い。
しかし、イツキはいつハルヒが警察に捕まってしまわないか、その前に説得して泥棒を止めさせる事は出来ないのか悩んでいたのだ。
「古泉君、ごめん。あたしはどうしても怪盗猫眼石を止めるわけにはいかないのよ!」
「涼宮さん……」
古泉の覚悟を決めた説得に対しても、ハルヒは拒否した。
そして、ついに恐れていた事態が起こってしまった。
盗みに入った先で、怪盗猫眼石の正体がハルヒだと惣流にばれてしまったのだ。
<第二新京都市 国際空港>
正体が惣流にばれてしまったミクル、ハルヒ、ユキの三人は店を畳んで夜逃げして、遠い外国の地へと逃げる事になった。
「ずいぶんと急な外国旅行ね」
「アスカ……」
出国カウンターでは惣流とシンジの二人が先回りしてハルヒ達を待ち受けていた。
そこへ人混みの中からタイミング良くイツキが飛び出してきて、惣流に向かって頼みこんだ。
「お願いです、この場は涼宮さん達を見逃してあげて下さい!」
正義と友情の狭間で揺れる惣流の前に現れたハルヒの恋人。
厳しい顔をして考え込んでいた惣流はふっと表情を和らげてハルヒとイツキに向かって笑いかけた。
「早く行きなさいよ。アタシ達はここでハルヒ達に会わなかった。そう言う事にしておくわ」
「ありがとうアスカ、古泉君!」
ハルヒは笑顔で出国カウンターの向こうへと消えていった。
ハルヒ達が去った方向をしばらく見つめていた惣流はそっとイツキの肩に手をかける。
「アンタ、ハルヒの事が好きだったのね」
「ええ……」
この時イツキは心にある決意を固めていた。
今はまだ高校生だが、大人になったらハルヒにまた会いに行くと言う事だ。
今のところ、警察関係者で怪盗猫眼石の正体がハルヒだと知っているのは惣流とシンジの二人だけのようで、追手はハルヒ達に迫って来なかった。
「お茶いかがですか〜、ジュースもありますよ」
外国行きの飛行機の中で、ハルヒは女性の客室乗務員からジュースを受け取ると、それをちびちびと飲みながら憂鬱そうな表情で窓の外を眺める。
もちろん実際に飛行機の中で撮影をする予算など無いのでこれは全部セットだ、足りない部分は想像で補って欲しい。
「古泉君……ごめんね」
そしてハルヒ達を乗せた飛行機は外国の空港に着陸し、ハルヒ達の前に銀髪の少年が歩み出て来た。
「家のものに言われてお迎えにあがりました、渚カヲルです」
カヲルは穏やかな笑顔でそう言ってハルヒに手を差し出す。
ハルヒの方も笑顔で渚と握手を交わした。
「こっちこそよろしく、渚君!」
どうやら渚の家はハルヒの両親と深い付き合いがあったらしく、ハルヒ達は外国生活をするにあたって、渚の家にお世話になるようだ。
ハルヒと渚の間の距離は縮むのか? 古泉を巻き込んだ三角関係はどうなるのか? ハルヒはこれからも宝石泥棒を続けるのか?
様々な伏線を残したまま今回の物語はいったん終了する。
ぶっちゃけて言うと予算も時間も足りなくなったから、涼宮ハルヒ超監督もみんなになだめられてこの辺で妥協したわけだ。
好評なら来年続編を作るかもしれないと言っていたぞ。
俺はついにナレーションだけの役で終わって、結局一コマも映らなかったな。
-怪盗ハルにゃんの事件簿 Episode 01 猫の恩返し-
CAST
怪盗猫眼石(涼宮ハルヒ)役 涼宮ハルヒ
ミクル役 朝比奈ミクル
ユキ役 長門ユキ
惣流警部補役 惣流・アスカ・ラングレー
シンジ巡査役 碇シンジ
古泉イツキ役 古泉イツキ
猫|(ハルヒ)役 モモ
超能力猫役 シャミセン
警察官役 鶴屋さん、谷口君、国木田君、鈴原君、相田君、洞木さん
客室乗務員役 葛城ミサト
渚カヲル役 渚カヲル
カヲルの恋人役 綾波レイ(未出演)
ナレーション役 キョン
脚本・演出・監督
涼宮ハルヒ
助監督
惣流・アスカ・ラングレー
その他雑用全部
キョン
Spesial Thanks
映画研究部のみなさん
<第三新東京市北高 映画研究会部室>
映画の放映が終わり、スタッフロールが流れる中、ハルヒは満足げにウンウンと頷きながら見ていた。
SSS団のメンバーや頼まれて出演したメンバー達も、それなりに納得した様子でスクリーンを眺めている。
「おい、『禁じられた遊び』の二次創作映画を作るつもりが、なんで怪盗が登場する映画になるんだよ」
「まったく、過ぎた事をグダグダうるさいわね。エンターテイメント性を重視した結果よ! みんなが映画に出演できて、良かったじゃない」
キョンに過去の事を責められても、ハルヒはケロリとした顔で言い返した。
「本当に続編をつくるのかい?」
ハルヒは質問したカヲルでは無く、隣に座っているレイの方を見つめて答える。
「そうね、せっかく撮影したんだから、続編も何とか仕上げてみたいわね」
「良かったわね、綾波さん」
「ええ」
ヒカリに声をかけられたレイはそう答えた。
「文化祭での放映が好評だったらDVDにして売り出しちゃうって言うのはどうかしら! 未公開ハプニング映像とか特典に入れてさ!」
「編集作業をパソコンで徹夜でやらされるのはもう勘弁してくれよ」
「そりゃあ、文化祭まで時間が無かったんだから仕方ないわよ」
キョンはこの数日の編集作業で疲れ果てて疲労がたまっている様子だった。
「まったく……じゃあ、あたしがあんたの好きな夕食をつくってあげるから元気出しなさい!」
ハルヒが元気の無いキョンに向かってそう声をかけると、ミサトを始め映画を鑑賞していたメンバー達の冷やかすような視線がハルヒに突き刺さった。
「あらまあ、料理を作ってあげるなんてすっかり恋人みたいね、シンジ」
「そうだね」
「あたしは、団長として団員をねぎらうためにね……」
「そうなんだ」
しつこく冷やかすような視線を向けるアスカに、ハルヒは大声で言い返した。
「だいたい、シンジは毎日アスカに夕食を作ってあげているじゃない! 大好きなハンバーグとかさ!」
図星を指摘されたアスカは黙り込んでしまった。
「ああ、お前らうらやましすぎるぜ、ちくしょう! こうなったら俺もクリスマスまでに絶対彼女を作ってやる。そうだ、文化祭では他校の生徒も来るだろうからナンパをして……」
谷口は頭を抱えてブツブツとつぶやきだした。
国木田は苦笑した様子で隣の席の谷口を眺めている。
「なあ涼宮、俺だけもうちょっとカッコ良く撮り直すとかできないか?」
「そんなのもう無理よ。編集も終わっちゃったんだからさ」
「それ以前に、脇役中の脇役である警官隊の役なんだから元々目立たないだろう……」