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【ロンドン余話】消された“O”の悲劇 主催者サイドの圧力で犠牲に?
5月22日にAP通信が配信したこの写真。ロンドン東部、ストラトフォードの街角にあるコーヒーショップを撮ったものだが、何かがおかしい。お店の名前は「CAFE LYMPIC」。だが、よーくみると、かすかに「O」の文字が消されているのが分かる。
そう、もともとの名前は「OLYMPIC」。ところが、ある日、忽然と「O」の文字だけが消されてしまったのだ。突然の店名変更について店主は多くを語っていないが、AP通信をはじめとする海外メディアによると、五輪主催者による懸命な“ゲリラマーケティング”との戦いの“犠牲者”になった可能性が高いという。
もちろん、「オリンピック」自体は一般的な名詞で、日本にもスーパーマーケットやホームセンターなどを展開している「Olympic」という会社がある。コーヒーショップの店名変更が主催者サイドからの圧力だとしたら、ちょっとやり過ぎでは? という印象も受けるが、十分にあり得る話ではある。それほどまでに今回、国際オリンピック委員会(IOC)やロンドン五輪組織委員会(LOCOG)が五輪の商標に神経質になっている証拠ともいえる。何しろ、2008年の北京五輪からの4年間で五輪関連の商標販売は24億ドル(約1908億円)に達し、ロンドン五輪期間中の資金の44%以上を占める。マクドナルドやコカ・コーラ、サムスンなどの大手スポンサーは1億ドル単位のスポンサー料を支払っており、主催者サイドは彼らの権利を守るのに懸命なのだ。
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