クソ物件2
今日のクソシリーズは「クソ容疑」ではなく「クソ物件」。
2年前から懸案事項だった知人の相続登記。不動産は2件あり、その内1件は逮捕前に終わっていた。残っていた方が取引としては大きく、問題があった。逮捕されて一時はどうなるか、と思ったが、逮捕自体も気づかれず、18日に決済をすることになった。
通常不動産売買等の決済をする時、法務局で不動産の登記簿謄本を確認しなければならない。まず最初に取引の話が出た時に1回確認する必要がある。相手がホントに所有者であるのかどうか、等の確認である。2回目は決済する直前に確認しなければならない。なぜなら、相手方が別の人間と取引して、既に所有権が変わってしまっていたなら、お金をだまし取られることになるからだ。そして登記が終わってから、登記簿を確認するのが3回目。
一応今回の取引も、相続人13人の登記である。容易なことではいじれないだろうとは予想はした。しかしもの凄く悪知恵の働く人間がいたら、法定相続分だけ勝手に登記が変更されてしまう可能性があった。その可能性を気にしていた。相手と十分な信頼関係がない以上、この可能性には十分気を付けていなければならなかった。
相続登記は一応先の一件目の物件で書類が揃っている筈だった。念のため釈放された翌日もう一度書類を見直し、翌日の決済に備えた。
通常の不動産取引では、①売り手 ②売り手の不動産屋 ③買い手 ④買い手の不動産屋 ⑤登記をする買い手側か銀行の司法書士 ⑥銀行などお金を出す人 が揃って書類を確認しあって、判子をついていく。しかし今回の取引は、売り手と事実上の買い手の私だけ。契約を確認する不動産役、登記をする司法書士役、お金を出す銀行役を私が兼任している。これは結構ストレスがかかる。
契約にミスがあれば、登記はできないし、また登記関係書類に一個でもミスがあると、所有権移転登記はできないし、所有権移転登記ができない取引にお金を出すとしたなら、アホ以外何物でもない。今回の取引は400万だが、現金を持ち歩くだけでも、盗難リスクがあるわけだし。
しかし今回は相手のおっさんが、「もの凄く切れる悪者」でもなさそうなので、大丈夫だろう、と。大体、今のご時世、1人3役くらいこなさないと、金儲けなどできない。労働を集約させないと、逮捕もされた上にブログも更新する暇なんて捻出できない。
ということで取引直前に現金を持ち歩いて、直前2回目の登記簿確認。登記は変わっていないので安心、と思ったら、もの凄いミス発見!!
元の所有者(=被相続人)の住所が古いままだった!!
不動産の所有権移転をする場合、譲り渡す側の登記簿上の住所と現在の住所が違うなら、同一人物であることを証明する必要がある。登記簿上の所有者が「鈴木一朗」だったとして、全国に数多いるであろう「鈴木一朗」が、勝手に豊山町のイチロー御殿を売り払えるはずがない。そこで実際に登記簿上に登録されている住所に住んでいた証明を出さなければならないわけだ。
本件のような相続の場合、戸籍の附票を提出しなければならない。が、既に40年以上前のものである。どこの役所でも40年前のものなど保管していない。このままでは登記申請ができないという大ポカが直前に発覚。司法書士ならクビだが、この辺が素人っぽいところ。でもここまで来た以上やるしかない。
まんじりともしない気分で400万の決済。決済の後すぐに法務局に登記を入れたいが、果たして書類が揃うだろうか、という不安を抱えつつ。
終わってすぐに、既に戸籍(除籍)があるはずもない東京都某区に電話して聞いてみる。
「いや~、5年前迄のものしか保存してないですからないですね~。」
「そういう場合はどうやって登記すれば良いんですか?」
「そもそも日本の登記制度そのものがつなぎ合わせられないもので証明しなさいという、支離滅裂な制度なんですよ。必要書類は、そこの法務局に聞いてみて下さい。」
なんかつれないなぁ~、と思いつつも、法務局に聞くと
「登記上の住所にその人の戸籍も住所もないという『不在籍・不在住証明』を取って下さい」
すぐに市役所に確認すると、20分くらいでその証明は出るらしい。これなら今日の5時迄に法務局に間に合う、と市役所にダッシュ。
相手方がそれ程悪意ある切れ者でもなさそうだったから、多分大丈夫だろうとは思った。しかし決済しておきながら登記ができないという馬鹿な状態は避けたかったので、相当なストレスが生じ、生まれて何回かしかない「胃が痛い」状態が生じた。多分大量のアドレナリンが出たのだろうか、胃の辺りが異様に緊張しているのだ。胃の緊張を引きずりながら、なんとか市役所を回って法務局に辿り着いて、申請を終えた。
一仕事終えたところで、緊張をほぐそうとジュースを飲んだ。しかし緊張している内蔵に冷たい液体は、更に悪かったようで、ますます痛みが増した。逮捕の件もそうだが、たかだか400万の取引でこれっていうのも、まだまだ人間が小さい。
一週間後、登記は補正もなく完了したので、よかったことにしよう。
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