クソ容疑5
過去に二回勾留質問を受けた経験では、勾留質問を担当する裁判官はどちらも若手。勝手に推測すると、「犯罪者の言うことなんてまともに聞かないで、検察官が請求した通り判子をつくだけのお役所仕事」だから若手に任せるということなのかもしれない。
しかし今回出てきた勾留質問の裁判官は、かなり老齢だった。頭は全て白髪で、もう定年近いのではないか、と思えた。当直で誰もいないから出てきたのか、とも思った。しかし後々考えると、そうではなかった可能性もある。小生は、その日地検に呼ばれた逮捕者の中で、最後の質問者となった。小生は、検事に訴えた以上に熱を込めて逮捕の不当性を訴えた。
判事「あなたはどうしてそこまでAさんに肩入れするの?」
野田「だってこういう経歴を持つ私を尊敬してくれて信頼してくれて、将来的に支援活動を手伝ってもいいみたいな話をしてくれるんですから。」
裁判官は、「こいつ一体何考えとるねん」みたいな怪訝そうな表情をしていた。
野田「そもそも逮捕される時だって、逮捕令状がないのに、半ば強制的に車に連れいれられて、警察署で3時間も拘束されたんですから。」
判事「それは関係ないから。」
話が遮られてしまったのは、「えー、なんかそれって冷たい、もう駄目か?」と思えた。
この時の心境は、時代劇に出てくる農民の
「お代官様、おねげえしますだ~」
ではないが
「裁判官様、おねげえしますだ~」
みたいな心境だったと思う。とにかく必死。
判事「あなた一応住居は定まっているのね?逃亡の恐れがあると駄目なんだけど、逃げませんか?」
野田「はい、絶対逃げません、私は不動産も20戸以上持ってて管理しているので、逃げません。」
判事「証拠隠滅はしない?」
野田「しません、しません、何も隠すことはありません。」
判事「弁護士がいればいいんだけど、事件になってしまった以上、キチンと処理しなければならないから。」
以上で裁判官の勾留質問が終わった。勾留の決定は、①住居が定まっていないこと ②逃亡の恐れがあること ③証拠隠滅の恐れがあること に相当する理由がある時になされる。最後の質問は、後から思えば、それがないことを確かめていたのだろう。
また手錠をかけられ収容房に戻ると、しばらくして警察官が耳打ちしてきた。
警察「多分このまま釈放になる」
と同時に、小生の手続きが終わるのを待っていた同じ警察署の逮捕者達は連れて行かれてしまった。なんだか私のために待つだけ待たせて悪いのと、それ以上に、将来的に出所したときのことで声をかけてあげられなくて申し訳ない気がした。車の中や運動の時間など、話しかけるチャンスがなかったわけではない。
警察「裁判官が勾留請求を却下して、それに対して検察官が準抗告しないと決定したので、釈放します。」
ほどなくして、誰も居なくなった収容房から小生は解放された。警察が預かっていた品を受け取る必要があったので、小生はそのまま地検のただっ広い待合室に放置おかれた。なんだかこうやって釈放されてみると、2日間の出来事が単なる悪い夢だったに過ぎないようにも思える。いやいや生きていることそのものが夢に過ぎないのだが、それを象徴してくれるようなクソ容疑茶番劇。
裁判官が勾留請求却下しても、その後検察官の準抗告で、別の裁判官が勾留を認めるケースもあるそうだ。準抗告をしなかったというところは、あの検事もこちらの言い分を認めてくれたからなのだろうか。それにしてもリンク先の「白山次郎」判事って良い判事だなぁ~、身元引受誓約書、出頭誓約書まで準備して逮捕者の後押しをしてくれるなんて。でも多分日本の裁判制度の中では異端なんでしょうね、きっと。
ところで気になっていたのは、相続の話。お金の受け渡しをして、登記をするのを直前に控えていた所を逮捕になっていた。あの後連絡があったとすれば、相手方も困っていただろうし、こちらの信用も失うことになる。しかし警察署から預かり品の携帯電話が届き、メールを確認して驚いた。
「決済は7月18日では如何ですか?」
相続の相手方からは、釈放の数時間前にその連絡が来ただけで、それ以前に連絡があった形跡がない。奇跡のようにも思えた。
(つづく)
コメント
>皆がキレそうなあの暑さの中で。
前回逮捕も五輪直前(アテネ)でしたが、留置所は涼しいです。
釈放された時の熱帯夜暑さにも驚きました。
施設内なので手錠の必要性がないように思えるんですが、これって人権侵害なのでは?
裁判ではこれを主張すべきですね。
ここでかけなかったら逮捕者逃げ放題。
留置所の檻の中は勿論手錠無し。
>野田「だってこういう経歴を持つ私を尊敬してくれて信頼してくれて、将来的に支援活動を手伝ってもいいみたいな話をしてくれるんですから。」
なんかかわいい
なるPに萌え属性だと!?
>また手錠をかけられ収容房に戻ると、
とあるので檻の中も手錠だと思いました。
ただ、手錠掛けられても足は動くので逃げ放題だと思います。
もしかして胴体をロープで繋いだとか、そういうのであればわかります。
腰にひも縛られます
でも、野田さん本当に運が良いんですね。お仕事お疲れ様です。