警視庁は3日、東京都杉並区の70代の無職女性が、架空の会社の社債購入を持ちかけられ、1億2600万円をだまし取られる詐欺被害に遭ったと発表した。同庁によると、振り込め詐欺や金融商品詐欺など、面識のない相手に電話などでだまされる事件では都内で過去最高の被害額という。
荻窪署によると、5月上旬、太陽光発電開発会社の社員を名乗る男から女性宅に「上場すれば債券の価値があがる。杉並区でも信用できる人にしか案内を出していない」など社債購入を持ちかける電話があった。
女性は金融機関から現金を引き出し、6月上旬までの間に計5回、自宅に来た男に計1億円を手渡した。同月下旬にも「上場する話が金融庁にばれた。持っている現金を債券にした方がいい」などと電話があり、さらに2600万円を渡した。女性は、受け取りに来た男は毎回違ったと話しているという。