震災:被災の大川小 母8人が亡き子の思い出を出版
毎日新聞 2012年08月04日 15時00分(最終更新 08月04日 15時42分)
東日本大震災で児童74人が死亡・不明になった宮城県石巻市の大川小学校で、津波にのまれた亡き子への思いを母8人がつづった絵本「ひまわりのおか」(岩崎書店)が10日、出版される。一人一人の子供が描かれたページには、わが子への手紙が添えられている。「せめて絵本の中に子供たちを残したかった。ずっと忘れないでいてほしい」。母の願いが出版につながった。
絵本の舞台は大川小近くのヒマワリ畑。児童が避難しようと目指した高台に、母たちが震災後の春に苗を植えた。海水が浸った土では咲かないかもしれない。それでも、母たちは育む命を求めた。
ヒマワリ畑は亡き子を語り、泣ける場所となった。「塩でのどがカラカラだろう」と水をたっぷりやり昨夏、見事に花を咲かせた。2年目の今年は子供たちが帰ってくるお盆に満開になるよう、昨年採れた400の種を遅めにまいた。お盆には、大輪の花が咲く。