住宅取引氷河期、売買が金融危機時の半分に

■競売物件は半額も

 売買市場での成約が途絶える中、住宅ローンの返済に行き詰まり競売に付されるマンションが増えている。不動産競売情報サイト「不動産テイン」によると、首都圏のマンション競売件数は、08年の1万5216戸から昨年には2万9858戸へと倍増した。同サイトの担当者は「住宅担保ローンの返済負担が増大する一方で、住宅価格は下落を続け、金融機関が(担保物件の)マンションを競売にかけるケースが増えている」と指摘した。

 しかし、競売でも売れないマンションが増え、価格が半額にまで低下する物件が続出している。先月10日、ソウル南部地裁で競売にかけられた陽川区新亭洞のマンション(162平方メートル)は、鑑定価格の55%の5億5010万ウォン(約3780万円)で落札された。同物件は市中の最安物件でも8億3000万ウォン(約5700万円)程度なので、相場よりも4割近く安い値段が付いた。

 別の専門サイト「GGオークション」のハ・ユジョン研究員は「首都圏で競売が2-3回不調に終わる物件が増え、相場の半額程度で買うことができるマンションが増えている」と説明した。

■崖っぷちのハウスプア

 住宅市場の低迷が長期化し、ハウスプアの苦痛も極限に達している。元金返済に追われ、クレジットカードで借り入れを行う人、住宅を売っても住宅ローンの返済額に満たない人が出てきている。

 会社員Yさん(45)は、ローンの利払いができず、今年初めに5000万ウォン(約340万円)の当座貸越を受けた。Yさんは京畿道盆唐にある面積100平方メートルの物件を10億5000万ウォン(約7200万円)で購入した。広い家に住み替えられる上、含み益も狙えるとして、6億ウォン(約4100万円)を借り入れた。だが、現在Yさんの自宅は相場が8億ウォン台半ばまで下落した。Yさんは「月収の40%近くをローンの利払いに充てている」と話した。

 5年前に京畿道竜仁市の5億ウォン(約3440万円)のマンションを購入するに当たり、2億ウォン(約1370万円)を借り入れたJさん(54)は「物件価格が4億ウォン(約2750万円)まで下落したので、ローンを返済し、(借り主に)賃貸保証金を返却すれば手元に一銭も残らない」と話した。

ユ・ハリョン記者 , 鄭漢国(チョン・ハングク)記者
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