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【社会】

主催側 警視庁 食い違うデモ人数なぜ

 国会や首相官邸周辺で毎週金曜、原発再稼働への抗議行動が繰り広げられている。その参加人数が、主催者と警視庁の間で大きく違っている。なぜ、こんなにかけ離れるのか。そもそも、人数をどうやって数えているのだろう。

 Q どれほどの人が詰め掛けているのか。

 A 七月最終週の抗議行動は、日曜日だった二十九日夜に、集会とデモに続く「国会大包囲」として行われた。主催者は推定二十万人と発表し、警視庁の幹部は報道機関の取材に一万二千五百人と説明した。主催者発表の十六分の一の規模になる。

 Q どうやって数えているの?

 A 主催者側は六月二十九日の抗議行動の際、午後六時半にスタッフがカウンターで数え、五千〜五千五百人と判明。その後に人波の長さが伸びた分を掛けて、約二十万人という数字を出した。最近では数え切れないほどの人が詰め掛けているので、スタッフが区域を決めて、六月二十九日の数字を基に目測で「前より多い」などと情報を集め、人数を推定している。

 Q 警視庁は?

 A 警備の体制を組む上で必要な情報として、およその人数を数えている。デモでは固まりごとの人数から、集会では会場の面積と人の密集度から、それぞれ算出している。過去の集会で使われた場所が会場なら「ここがいっぱいになれば何万人」といった経験値も参考にしている。

 Q なぜ警視庁は、人数を発表しないの?

 A 主催者側が発表した人数と差が大きく、警視庁が意図していない論争や混乱を招くし、公表するために集計しているわけでもない、としている。そのため本紙は、抗議行動の後に警視庁の幹部に取材して「警視庁関係者によると」として、警視庁が数えた概数を記事にしている。

 Q ほかのデモや集会でも、主催者側と警視庁の数字はかけ離れているの?

 A 例えば、七月十六日に東京・代々木公園で開かれた「さようなら原発10万人集会」で、主催者は十七万人と発表し、警視庁幹部は七万五千人とした。主催者側は開会式直前の時点で、会場を十区画に分けて概数を目測。積算すると十一万人だったので、その後に増えた分を推定して十七万人と発表した。一方の警視庁幹部は、公園出入り口で、カウンターを使って手作業で数えたと話した。

 Q 国会前のデモと言えば「六〇年安保闘争」。当時も、主催者と警察で人数が違っていた?

 A 当時の東京新聞によると、新安保条約が自然承認される前日の一九六〇年六月十八日夜、国会前の抗議デモに参加した人数は、主催者調べで三十三万人、警視庁調べでは十三万人。当時から人数に違いがあった。

 

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