「牛角 凍らせてもおいしいキムチ」は198円。購入者からは「冷やし中華やそうめんなど、冷たい麺類にピッタリ」と好評。スプーンですくっても食べられるシャリシャリ感が面白い(画像クリックで拡大)

 猛暑日が続くなか夏バテで食欲がわかない……という人も多いはずだ。そんな人の救世主となる“冷やして”“凍らせて”食べる食品が、昨年にも増して今年は多数登場している。なかでもひときわ注目を集めているのが、フードレーベル(東京都台東区)が発売した「牛角 凍らせてもおいしいキムチ」だ。

 このキムチは凍らせても完全に固まってしまうことがなく、包丁でカットしたりほぐしたりできる。白菜の旨みも常温時と遜色ないので、そのまま食べてもシャリシャリとシャーベットを思わせる食感が楽しめる。ほかにも、冷麺や冷やし中華などの涼麺、冷やし茶漬けのトッピングにする、冷製パスタや冷しゃぶと和える、そうめんつゆに入れるなど、夏の食卓で多彩なアレンジレシピに利用できるのが特徴だ。

 節電対策を意識した同商品の開発を始めたのは約1年前。しかし、“凍っても固まらない”方法を探し出すことには想像以上の苦労があったという。通常のキムチは凍らせると氷のように固まってしまう。さらに、それが溶けると水っぽくなり、白菜のシャキシャキ感も失われてしまうのだ。時間をかけて配合を変えるなどの試行錯誤を繰り返した末にたどり着いたのが、コンニャクイモの粉末。これを加えることにより、完全に固まらないようになり、凍らせてもおいしく食べられるキムチが完成した。

 6月20日の発売直後からマスコミの取材依頼は後を絶たず、テレビなどでも取り上げられたことで注目を浴び、取り扱い店舗数は一気に増加した。発売2週目には週間出荷目標の200%、初週の15倍となる出荷数を記録した。その後も暑さが連日続く中、順調に売れ行きを伸ばしているという。「昨夏に続き今年の夏も節電対策が求められます。その影響もあって、ご家庭では冷たい食品の需要も高まっているようです」と同社経営企画室の黒田楓織氏は話す。まだまだ厳しい暑さが続きそうな今夏、さらに売り上げが加速していきそうだ。全国スーパーマーケット、量販店などで販売中。

(文/梶 里佳子)