シャープ株急落:鴻海が出資条件見直し 資本提携
毎日新聞 2012年08月04日 02時22分(最終更新 08月04日 07時30分)
台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)世界最大手、鴻海(ホンハイ)精密工業は3日、シャープとの資本提携について、鴻海が引き受ける新株発行価格を見直すことでシャープと合意したと発表した。シャープの株価が契約時より大幅に下落しており、出資による損失を回避する狙いとみられる。出資比率は変更しないという。これに対して、シャープは「合意した事実はない」と否定している。
鴻海グループは3月27日、シャープの第三者割当増資を引き受け、1株当たり550円で取得し、シャープに約10%を出資することで合意した。しかし、鴻海グループからの出資は当初、6月末にも完了する見通しだったが現時点で払い込まれていない。期限は来年3月26日。
シャープ株は3日の東京株式市場で一時、前日終値比80円安の187円とストップ安まで急落し、約37年7カ月ぶりに190円を割り込んだ。終値は同75円安の192円で、両社が合意した発行価格より65%安い。シャープの奥田隆司社長は2日の記者会見で、発行価格の見直しについて、「現時点で契約時の条件は変わらない」と述べている。【宮崎泰宏】