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経営再建中のルネサス 五輪メダルのフジカキが励みに!

バドミントン女子複 決勝進出を喜ぶ人たち
女子ダブルスの藤井、垣岩組が銀メダル以上を確定させ、喜ぶ所属会社の社員ら
Photo By 共同 

 ロンドン五輪バドミントン女子ダブルスで銀メダル以上を確定させた藤井瑞希(23)垣岩令佳(23)の「フジカキペア」。深刻な業績不振にひんする所属先の半導体大手「ルネサスエレクトロニクス」グループが朗報に沸いている。「苦しい今だからこそ、日本初の快挙を成し遂げた活躍が励みになる」。経営危機の中、報奨金についても「満額支給」を約束した。

 同種目に日本勢初のメダルをもたらす快挙を成し遂げたフジカキペア。東京都千代田区の「ルネサスエレクトロニクス」本社は「苦境の中、これ以上ない励みだと思っています」と喜んだ。

 同社は東日本大震災や円高の長期化の影響で、2012年3月期連結決算の純損益が626億円の赤字となり、売上高は前期比22・4%減。3年以内をめどに国内18工場のうち計8工場の売却または閉鎖、また5000人以上の早期退職を募集する大規模な経営再建策を発表している。

 現在も苦しい状況は変わらない。2人への報奨金については、同社は「それとこれとは別」と、活躍に最大の敬意を払う意味で支払うことを明言。会社によっては数千万円を支払う例もあるが、「半導体メーカーなので現物支給というわけにもいきません。具体的な額は言えませんが、内規どおりに出します」と“満額回答”を約束した。

 ほかにも「会社持ちになるか、有志によるものかは未定ですが、社内での祝勝会開催を検討しています」と同社。厳しい懐事情の中、全力で労をねぎらう心づもりだ。

 運命の決勝は4日、午後11時45分(日本時間)開始。もちろん全社員の望みは金メダルだ。報奨金の額はその分上がることになるが、同社は「社員が出社すると、すぐに2人の話題に花を咲かせている。社がこんな状態にある今だからこそ、前人未到の領域で活躍する2人は心の支え。金を獲ることが、何より社のため」と話す。

 グループ内の期待は膨らむ一方。フジカキペアが所属する熊本市南区のグループ企業「ルネサスセミコンダクタ九州・山口」では社員が体育館に集まり、決勝戦を観戦、声援を送る予定。東京本社でも、社員が応援会開催を検討している。

 ≪JOC300万円≫フジカキペアが金を獲得すれば、所属企業のほかにもJOC(日本オリンピック委員会)から300万円、日本バドミントン協会から1000万円の報奨金が出る。銀ならJOCから200万円、協会から500万円となる。所属企業からの報奨金としては、現参院議員の谷亮子氏が04年アテネ五輪で金を獲得時、当時所属していたトヨタ自動車から1億円(推定)と特別車が贈られたのが高額な例として知られる。

 ▼ルネサスエレクトロニクス 大手半導体メーカーで、自動車向けのマイコンは世界シェアの約4割を占める。2003年に日立製作所と三菱電機の半導体部門が統合した旧ルネサステクノロジと、NECの半導体子会社が10年4月に合併し現社名となった。今五輪で同じくバドミントン女子代表の末綱聡子、前田美順ペアも同社所属。女子ソフトボール部には日本代表のエース上野由岐子が所属。

[ 2012年8月4日 06:00 ]

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