DeNA−巨人 10勝目を挙げ、声援にVサインで応える内海=横浜スタジアムで(北村彰撮影)
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◇巨人4−1DeNA
巨人が連敗を2で止めた。5回に松本哲の犠飛で先制し、6回に内海が2点適時打。3−1の9回に鈴木の中前打で加点した。7回途中1失点の内海は10勝目で3年連続の2桁勝利。山口が好救援した。DeNAは攻め切れなかった。
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生え抜きエースが悪い流れを食い止めた。29カードぶりに負け越した直後の一戦で、巨人の内海が投打に躍動。投げては7回途中まで1失点。打撃でも2打点1得点。自他ともに認める大黒柱がチームに5試合ぶりの勝利をもたらし、守道竜とのゲーム差を再び4・5に広げた。
「9回まで投げきりたかった。悔しい」。汗だくの顔に物足りなさがにじむ。しかし、連敗ストップのチームの中心には間違いなく内海がいた。特に「ひじょ〜に大きかったですね!」と原監督が声を弾ませたのは、本職外の打撃だった。
5回は先頭打者で四球を選び、先制のホームを踏んだ。6回には2死二、三塁からDeNA・国吉の直球を左前にはじき返し、計3得点に絡んだ。「たまたまです。でも、うれしいです」。表情は自然と緩んだ。
明朗。活発。そんなイメージの裏側で、今季はかつてない重圧を感じていた。原因は昨季の18勝という数字。「正直、18勝を基準にされるとつらい。今季はハードルが高くなる。プレッシャーがあります」。2月の宮崎キャンプ中、ふと漏らしたひと言に本音が詰まっていた。
責任感の強い男は、それでも着実に白星を積み上げた。3年連続6度目の10勝到達。巨人の左腕では、中尾硯志の11度に次ぐ歴代2位。1939年から57年に背番号18を背負い209勝を挙げた左腕に続く記録となった。「(2桁勝利は)やらないといけないと思っていた。素直にうれしいです」。ただ、満足することはない。「これから勝たないといけない試合が多くなっていく」。固く結んだ口元に、エースの自覚がにじんだ。 (井上学)
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