【マンチェスター(英国)松岡祐司】真司、お先に!! サッカーの男子日本代表は4日、日本代表MF香川真司(23)が移籍したマンチェスター・ユナイテッドの本拠地オールドトラフォードで行われる準々決勝で、エジプトと対戦する。エースFW永井謙佑(23)=名古屋=が、香川よりも一足早い「夢の劇場」でのゴール奪取を宣言した。44年ぶりのメダルロードへ、エースの劇弾で五輪4強を決める。チームは3日、当地の練習場で最終調整を行った後、試合会場のピッチを視察した。
一発勝負の大一番。「夢の劇場」での準々決勝が目前に迫ってきた。ただ、手に汗を握る緊張も重圧も、この男にはない。やるだけ−。永井は神妙な表情を浮かべ、決意の言葉を静かに並べた。
「力を出し切るだけ。トーナメントで、1点の重みも変わる。失点すると厳しいので先制点がカギになる。チャンスは絶対にあると思うので、そこでしっかり奪いたい。決められれば必ず勝ち上がれると思う」
第一関門の1次リーグは1位通過した。優勝候補ブラジルとの顔合わせを回避できて、「メダルの可能性もグッと上がった」。体力のセーブもかない、体調も調子も上々だ。エジプトは昨年8月に札幌で迎え撃ったとはいえ、「ここまでくればどこも強い。リスペクトしながら戦う」と勝負の行方を危うくしかねない油断、心の隙も排除した。その根底には、「やるべきことはやってきた。今は負ける気がしない」。技術、戦術を超え、勝利への絶対必要条件となる自信が充満しているようだ。
別格の刺激も注入された。2日夜、マンチェスター市内の日本食料理店で開かれた監督、選手による決起集会で、世界屈指のビッグクラブに移籍した香川と「偶然、本当にたまたま」再会。本来なら、ともにピッチで戦っていたかもしれない同級生から「相変わらず、速えなぁ」「頑張れよ」と激励を受け、燃えないはずがない。
「真司より先に(オールドトラフォードのピッチに)立てる。点を取って勝って、必ず次につなげたい」
狙うのは、香川より一足早い「オールドトラフォード弾」。その先にだけ、「五輪4強」という44年ぶりの新たな世界が待っている。
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