今日は本当に素晴らしいご夫婦と出会いました。
芸大を卒業して、奥さんは陶芸家・旦那さんは漆工芸をされています。
彼らの生き方・作品への思いが、なるべく自然と調和的であるようにというもので、
茨城の山に工房を構え、少しの野菜を育て、近所のコミュニティの方々とも良い関係を築こうとしていました。
漆器は、
息も止めて、空気を動かさないように、
自分の心の波も納めて、
ホコリひとつのらないように、
貴重な漆を塗っていきます。
陶芸も、土/水を気を込めながら、
土と対話しながらこねていき、
形成したばかりのやわらかい器を台から
持ち上げるとき、
やはり大地と自分の呼吸を合わせて
取り上げます。
自然界の土や素材、
火の力を借りて、
木の力を借りて、
深い漆の世界や造形の世界を作りこむ。
若い彼らは、誰に教わるでもなく、自然にそれを選択していて、
自然の摂理通りに、静かに生きようとしていた。
本当に素晴らしいカップルでした。
彼らの新しい住居は、原発で汚染されました。
いま、一時的に私の住む街に避難しています。
彼が購入した80本の漆の苗木は、どうなるのでしょう。