水俣病:特措法締め切り後の課題考える 「水俣病は終わらない」集会 /熊本
毎日新聞 2012年08月03日 地方版
7月末で申請期限を迎えた水俣病被害者救済特別措置法(特措法)の問題点や今後の課題を考える「水俣病は終わらない」と題した集会が1日、水俣市公民館であった。水俣病不知火患者会や水俣病被害者互助会など9団体が呼びかけ、住民約80人が参加。10人が意見を発表した。
不知火患者会の林田直樹事務局長は期限後の対応について「認定申請や裁判、県の判定結果への異議申し立てなど可能な方法を検討し、引き続き活動していく」と述べた。
チッソ水俣病患者連盟の高倉史朗事務局長は「報道で特措法について『国の基準を満たさない被害者の救済』というのは間違い。実際は認定基準を満たすかどうか判断していない。申請者の中には基準を満たす人もいるはずだ」と話した。
熊本学園大の花田昌宣水俣学研究センター長は「水俣病発生当初の劇症型と違って、今は症状がそろわない不全型の患者が大多数だ。この人たちを水俣病とはっきり認めていかなくてはならない」と語った。
集会の冒頭、水俣病医療に尽くし7月11日に亡くなった原田正純医師に全員で黙とうをささげた。【西貴晴】