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“高校無償化”財源確保で負担増世帯

公明新聞:2012年3月25日付

高校無償化により負担増となる世帯

民主の場当たり政策が暮らし直撃

財源の裏付けや十分な議論もないまま、数の論理で推し進めた民主党マニフェストの目玉政策。今、そのほころびが暮らしを直撃しています。高校無償化政策では、政府・与党の場当たり対策のあおりを受けて、主に生活弱者世帯の負担増が表面化。民主党政権の対応が後手に回る中、公明党はこの問題の解消に全力で取り組んでいます。

保護者から不満の声
「勝手に天引き腹立たしい」

香川県内に住む小川光男さん(54、仮名)一家は子ども4人の6人家族。そのうち、長男の光一君(18、同)が公立の特別支援学校に通っていました。

小川さんの場合、民主党政権が断行した特定扶養控除の見直しによって、実質負担増になりました。小川さんは「高校無償化と言いながら、その一方で負担増世帯ができるのはおかしい。家計にしわ寄せが出てしまう」と語っています。

千葉県内に住む山田範子さん(46、同)一家は、子ども3人に両親を含めた7人家族で、次男の正治君(16、同)が公立の特別支援学校に通っています。

山田さんも、小川さんと同様、特定扶養控除の見直しで実質負担増になった世帯です。長男の誠一君(18、同)がこの春から大学に入学することから、「今後、子どもの教育に掛かる費用はさらに重くなる」と懸念を示しています。

山田さんは「特定扶養控除は夫の給料の中で計算されているので、控除の減額は最初、気付かなかった」と言います。今回の同控除見直しに伴う家計への負担増については、「取れるところから取っている印象ですね。子どもが働くまで、まだまだ時間がかかるので、少しでもお金をためておきたいのが本音です。勝手に天引きされているようで腹立たしい」と怒りをあらわにしています。

約27万人にしわ寄せ
議論尽くさず政策ゴリ押し

高校無償化の財源を確保するために断行された、16?18歳を対象にした特定扶養控除の見直し。この控除は、教育費がかさむ子どもを抱える世帯の税負担を軽減するために創設されたものですが、見直しによって、定時制や通信制、特別支援学校に通う子どものほか、引きこもりや未就学者のいる家庭が負担増になってしまいました。その数は、全国で約27万人に上ります【図表参照】。これらの学校に通う子どもの世帯は、一般的に全日制に通う世帯よりも家計が苦しい場合が多く、こうした世帯に、“無償化”のしわ寄せがきているのです。

こうした事態に対応するため、政府は「高校生修学支援基金」を各都道府県に設けることで貸与型奨学金の増額や要件緩和、返還免除などを行う方針を打ち出しました。ところが基金の期限が今年度末で、恒久的な制度ではないため、実施を決めた都道府県は昨年9月の段階でゼロでした。

そこで、今年度第3次補正予算で約189億円が同基金に積み増しされ、2014年度までの3年間の延長が決定しました。これに伴い、対象者の収入が300万円以上になるまでは、返済が猶予される“出世払い方式”の「所得連動返済型奨学金制度」が都道府県事業として創設されることになり、各都道府県で導入が検討されています。

高校無償化は、財源も不明確のまま、民主党が2009年衆院選マニフェストに掲げ、その後、十分な議論も経ずにゴリ押ししたものです。そもそも、特定扶養控除見直しによる財源確保はマニフェストに明記されていません。負担増世帯が生まれることも開始以前から明らかで、公明党は国会論戦でも再三批判してきました。これらの問題を放置してきた民主党政権の責任は重大です。

公明、負担軽減策を推進
返済不要の奨学金実現めざす


政府の対応が後手に回り、遅々として進まない中、公明党は負担増世帯への対策を重ねて講じています。

富田茂之衆院議員は2010年3月の衆院文部科学委員会で、特定扶養控除が縮小された場合、高校に進学しない1万数千人の子どものいる家庭が負担増になる点を鋭く指摘しました。11年9月の衆院予算委員会でも負担増世帯への政府の対応を厳しく追及しています。こうした主張が実り、高校生修学支援基金の3年間延長が決定したのです。

また、今年3月6日には、民主、自民、公明3党が高校授業料無償化の検証で報告書をまとめました。

ここには、公明党が実現を強く主張してきた返済不要の給付型奨学金の創設や同基金の恒久化のほか、定時制、通信制などに通う子どもがいる世帯への配慮が明記されました。公明党から出席した池坊保子文部科学部会長は「民主党は支援充実に積極的に努めるべきだ」と表明しています。

さらに公明党は、3月13日の参院予算委員会で、木庭健太郎参院幹事長が、「所得連動返済型奨学金制度」の実施を都道府県に促すよう政府に要請し、前向きな答弁を引き出しています。

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