ロンドン五輪:シドニーや北京でもあった無気力試合

 1日に行われたロンドン五輪バドミントン女子ダブルスでの失格騒動は、今後も五輪の歴史に「無気力試合」として残りそうだ。国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は、IOCとしても何らかの懲戒を検討すると発言した。無気力試合で失格となった中国の于洋は2日、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)で「この試合が自分にとって最後だ。愛するバドミントンに別れを告げる」と書き込んで引退を示唆した。大韓体育会(KOC)もこの日、失格となった鄭景銀(チョン・ギョンウン)、キム・ハナ、河貞恩(ハ・ジョンウン)、キム・ミンジョンのほか、キム・ムンス・コーチのIDカードを回収し、帰国させることを決めた。

 ちなみに五輪で無気力試合が問題となったのは今回が初めてではない。最近では、2008年の北京五輪・野球での日本のケースがある。予選リーグ最後の試合となった米国戦で、日本は無気力試合を行った。すでに両チームとも準決勝進出を決めていたが、この試合で勝ったチーム(3位)は予選2位のキューバと、負けたチーム(4位)は予選1位の韓国と対戦することになっていた。

 日本としては「アマチュア最強」といわれたキューバを避けたかったため、米国との試合では3回でエースのダルビッシュを交代させ、打者も空振りを繰り返した。最終的に日本は延長11回で米国に2-4で敗れた。日本の星野監督は「打者の不振が心配」とコメントしたが、顔は笑っていた。

 「星野監督はキューバを避けるため意図的に負けた」との批判も相次いだが、物証はなかった。今回のバドミントンのようにサーブでわざとネットに引っ掛けるようなプレーもなかったからだ。日本は望み通り準決勝で韓国と対戦したが2-6で敗れ、3位決定戦でもキューバに敗れてメダルを獲得できなかった。

 2000年のシドニー五輪・ビーチバレー男子でも無気力疑惑があった。米国は敗者復活戦でオーストラリア相手に9-4でリードしていたが、突然調子を崩して11-15で逆転負けした。これは「ラッキールーザー」というルールがあったからだ。6チームで争われる敗者復活戦は、勝ち進んだ3チームに加え、敗れたチームの中から得点が最も多い1チームも次に進めることになっていた。このときのラッキールーザーは、力が比較的劣るとみられるメキシコと対戦することが決まっていた。実際にメキシコと対戦した米国は、メキシコに勝って準々決勝に進出した。

 無気力試合をしながら金メダルまで獲得したケースもある。2006年にトリノで開催された冬季五輪のアイスホッケーで、スウェーデンは予選リーグ最終戦で格下のスロバキアに0-3で敗れた。これは準々決勝でカナダと対戦するのを避けるためだ。スロバキアは2人の選手が退場となったが、スウェーデンはシュートをしなかった。最終的にスウェーデンは準々決勝でスイスに勝ち、チェコとフィンランドも破って優勝した。批判に対してスウェーデンの選手は「われわれはメダルを取るためにすべきことをしただけだ。批判したいならシステムそのものを批判すべき」と反論した。「最初から無気力試合が起こらないよう、大会の日程を組むべき」というのが言い分だ。

 世界バドミントン連盟(BWF)は、ロンドン五輪から初めて予選リーグを導入したが、最終戦が行われる時間をバラバラにしたことが、今回の問題の原因となった。BWFは「予選リーグの問題点については真剣に再検討を行う」とコメントした。

キム・ドンヒョン記者
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