――たしかに、イラストからは、少女マンガのカバーみたいな印象を受けました。宇佐さんは、デザイン面でどんなことを意識しましたか?
宇佐「曲や歌詞の世界観をデザインでさらに装飾しちゃうと、“大人の男子が考える女の子の青春”というものになってしまい、ちょっと暑苦しいかなと。なので、少し力を抜く感じにしました。しるさんの描いたイラストのフワッとしたイメージを大事にしながら、ノスタルジーを通り越して、レトロな雰囲気になってしまわないように気を配りました」
――なるほど。本作の初回盤には、「さよならメモリーズ」のPVが収録されています。実写のショート・ドラマのような内容ですが、これは歌詞の内容を再現しているんですか?
ryo「そうですね。PVに関しては、自分の要望が結構あったので、何度も打ち合わせをしましたね。主演している女の子のオーディションにも、宇佐さんと一緒に参加しました」
宇佐「主演の女の子も、会った時は少しホワンとした印象だったけど、映像の中で
はキリっとしていて綺麗だなと思いました」
redjuice「バンドで歌っている姿が、すごくカワいいんですよ」
――カップリング曲についても教えてください。2曲目の「教えてあげる」は、「ワールドイズマイン」に通じる、強気な女の子が主人公の曲で、3曲目「約束をしよう」は、儚さが表現されたアコースティック・ナンバー。どちらも「さよならメモリーズ」とはガラッと印象が違う曲ですね。
ryo「「教えてあげる」では、「さよならメモリーズ」とは逆の方向性で、わざと音を崩して、ピアノが暴れる感じを出しました。1曲目の反動で、2曲目は“やってやれ”って気持ちだったんですよ。で、2曲目でちょっとやりすぎた気がしたので(笑)、3曲目はしっとりした曲にしてみました。この「約束をしよう」では、1〜2曲目の頃のような年を、過ぎ去った過去として思い出しているイメージなんですよ」
宇佐「どの曲もsupercellらしいと思うけど、バリエーションに富んでいるので、それを楽しんでほしいですね」
――supercellの新たな側面も感じられる3曲ですね。最後に、読者へのメッセージをお願いします。
redjuice「僕は絵描きなので、イラストを見てもらいたい気持ちはもちろんあります。でも、今回の主役は歌なんで、それを聴いてもらった後に、イラストが自然と思い浮かぶくらいの印象を与えられたらいいなと思っています」
ryo「“オール・フォー・ワン”というか、トラックも歌詞も、歌が良く聞こえることを、一番大事にしてつくりました。なので、好きな人に聴いてもらって、いいなと思ってもらえたら嬉しいですね」
宇佐「聴いた人が喜んでくれるといいな、と思いながら丁寧につくった作品なので、楽しんでもらえたら嬉しいです」