イチロー、“初”左翼で好補　自己採点は「素人でしょ」

　【ニューヨーク穐村賢】ヤンキースのイチロー外野手（３８）は１日、本拠地でのオリオールズ戦に８番左翼で先発出場。レギュラーシーズンでは初の左翼守備だったが、ヒット性の当たりを好捕するなど“引き出しの多さ”を見せた。打撃でも４回の第３打席に三塁への内野安打。自身今季最長の９試合連続安打を記録した。チームも１２−３で大勝、連敗を４で止めた。

　２００１年のリーグ優勝決定シリーズ以来、１１年ぶりとなった左翼守備で６回、イチローに見せ場が訪れた。１死一塁で、レイノルズの飛球はフェンス際まで飛んだが、イチローは落下点へまっしぐら。ジャンプ一番好捕した。ただ、捕球までの一連の動きが“美学”に反したようで、「素人でしょ。あの打球の取り方。素人っす、俺。ジャンプできる体勢じゃないし、ジャンプできてない。格好悪いわね」。

　ファンからイチローコールを受け、公式サイトにも「Ｏｕｔｓｔａｎｄｉｎｇ　Ｃａｔｃｈ（出色の好捕）」と紹介された“ザ・キャッチ”にも、苦笑いを浮かべるだけだった。

　首脳陣は左中間が広い本拠地球場の形状を考慮し、今後もイチローに左翼を任せる方針。「（左翼守備に）慣れていけなかったら、俺はここにいないでしょ」。ヤ軍移籍への条件の一つだったコンバート。好き嫌いは言っていられない。