◇中日3−2巨人
中日が逆転勝ちで、引き分けを挟み3連勝。1−2の9回に森野の適時二塁打で同点とし、なお2死満塁から代打の柳田の押し出し死球で勝ち越した。巨人は杉内から山口への継投が決まらず、4月下旬以来の同一カード負け越し。
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まさか。原巨人が1点リードの9回に試合をひっくり返される衝撃的な敗戦。「勝負ってのは、いろんな勝負がある。今日は相手が一枚上回ったということ」。顔を紅潮させた指揮官は、感情を押し殺しながら事実を受け入れた。
悪夢のような展開の連続だった。9回、完投目前の杉内が大島の打球を左スネに受け、1死二塁で降板。火消しを託された山口は1死一、三塁とピンチを広げ、森野の打球を左翼の高橋由が見失う二塁打で同点。さらに2死満塁から決勝の押し出し死球を与えた。
最善は尽くした。それでも、守道竜の執念を抑えきれなかった。救援投手の敗戦は4月22日のヤクルト戦以来。しかも、ブルペンを支えてきた大黒柱の山口の今季初黒星だ。川口投手総合コーチは「しょうがないよ」と受け流したが、マシソンが離脱した直後だけに心配な材料ではある。
攻撃力の低下も気になる。最近4試合で得点は5。原監督は“勝負弱さ”の見えてきた村田を横浜(現DeNA)時代の06年5月31日以来となる7番に下げ、4番には阿部を戻した。この刺激策も2得点では効果があったとは言い難い。
守道竜に引導を渡すはずの3連戦は2敗1引き分け。29カードぶりの負け越しを喫した。「その部分は、自信とまではいかないけども、これからの糧と思えばいい」と原監督。残りは54試合。正念場の夏が始まる。 (井上学)
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