広島ベンチに向かって一礼する中畑監督=横浜スタジアムで
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DeNA5−2広島
DeNAが逆転勝ちした。0−1の7回に2安打と失策で無死満塁とし、金城の右前打に失策が絡んで3点を挙げた。8回にも金城の2点二塁打で加点した。高崎が7イニング1失点で5勝目。広島は拙守が響き、野村が5敗目を喫した。
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まったく喜べない−。試合後、DeNA・中畑監督の顔は青ざめていた。「選手生命にかかわること。やっと広島に2つ目を勝ったけど、全然喜べない。勝ってこんな気持ちになるのは経験ない。初めて。心の中で悔やんでいます」と声を絞り出した。
広島の2失策に乗じて7回に逆転。天敵からようやく今季2勝目を挙げたが、そんなこともすべて吹き飛ぶアクシデントがあった。9回、守護神・山口が会沢の顔面付近に死球。会沢は倒れ込んだまま動けず、球場は騒然となった。
中畑監督は、ホームベース付近にすぐに走り寄り、救急車がセンターバックスクリーン下から入ってくるまで立ち会った。会沢は広島・野村監督らの呼びかけにも反応していたといい、「目を開いて『大丈夫です』と言ってくれた。私が『ごめんな』と言ったら『はい』と答えてくれた」とやりとりを話した。中畑監督によると、鼻と口付近で出血があり、当たった直後は手のしびれを訴えていたという。
山口は神妙な面持ちだった。「一番危ないところに当ててしまって申し訳ないです。回復を願うだけです」。ヒーローインタビューもハイタッチも自粛され、勝ったムードはどこにもなかった。
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