名古屋グランパスのMF小川佳純(28)が2日、ロンドン五輪卓球女子シングルスで日本人選手初の4強に進出した石川佳純(19)からパワーをもらった。競技や性別は違うが、漢字の姓名は75%まで同じということで、大学時代から注目していた存在。小川は「僕らもプロとしていいもの見せられるようにしないと」と意気込んだ。
競技も性別も年齢も違い、面識もまったくない。ただ、名前がほぼ同じ。それだけの縁でも、小川にとって石川は十分特別な存在になり得た。「負けちゃいましたねえ。でもベスト4はすごい」。惜しくもメダルを逃した石川の話題になると、小川は少し悔しそうに苦笑いした。31日の準々決勝はすべてテレビ観戦。1日の3位決定戦も翌日の練習に支障のない範囲で声援を送った。
2005年の卓球全日本選手権で当時小学6年だった石川が話題になったころ、大学生だった小川も「同じ名前だな」と、何げなく意識し始めた。ヨシズミとカスミ、読み方は違えど、漢字の姓名は4文字中、3文字が同じで「石と小の違いだけ」。その石川が初めての五輪で奮闘する姿には、同じアスリートとして感じ入るものがあった。「同じ名前の佳純ちゃんががんばっている。五輪を見ていて、すごいなと単純に思った。僕らもプロとして、いいものを見せられるようにしないと」。
チームは先週最下位の札幌に悪夢の黒星を喫し、優勝戦線は遠のいた。小川自身も要求の多い中盤2列目のポジションに四苦八苦しているが、「僕と藤本さんのところがもっと機能しないと」と、あえて責任を背負った。格上の相手に挑み続けた石川の姿から感じたものは「気持ちが一番大事」というスポーツの原点。一方的で勝手な縁かもしれないが、それでいい。ロンドンの佳純から届いたパワーを、名古屋の佳純が瑞穂で爆発させる。 (宮崎厚志)
◆ストイコビッチ監督に処分
Jリーグは2日、名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(47)に1試合のベンチ入り停止処分を科したと発表した。4日の神戸戦が対象。7月28日の札幌戦で主審から退席を命じられた同監督は「主審、副審の判定に対する執拗(しつよう)な抗議」があったと判定された。
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