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'12/8/3

米軍中枢に自衛官常駐 日米調整、海空本部へ初


 【ワシントン共同】日米両政府が、ワシントン近郊の米海軍作戦本部と空軍参謀本部(いずれも南部バージニア州)に自衛隊の連絡官を常駐させる方向で調整を進めていることが2日、分かった。米政府関係者が明らかにした。時期は確定していないが、実現すれば米海空両軍の中枢組織への自衛官派遣は初めてとなる。

 大地震などの災害や東アジア有事、海賊対策などに迅速に対応できる態勢づくりを図ることが狙い。米軍としては、海洋進出を活発化させる中国軍を念頭に策定したアジア太平洋重視の国防戦略を受け、日米の連携を緊密化させる狙いがありそうだ。

 自衛隊はこれまで、米バージニア州クワンティコの海兵隊戦闘開発司令部や各軍の研究機関に自衛官を常駐させてきた。イラク戦争の際には南部フロリダ州タンパの中央軍司令部に複数を派遣した経験もある。

 ただ、陸海空の米軍中枢には平時から常駐させていなかった。日本と同じく米同盟国である英国やオーストラリアは既に軍高官を同中枢部に派遣、情報共有や関係強化を進めており、自衛隊もそれに続く形となる。

 派遣される自衛官は空自が1佐1人、海自も1佐か2佐になる見通し。配属先は空軍のシュワルツ参謀総長、海軍のグリナート作戦部長をそれぞれ補佐する部署とみられる。シュワルツ参謀総長は近く退任し、ウェルシュ大将が就任する予定。

 米政府関係者は「海空軍の頭脳といえる組織」に自衛隊の連絡官が派遣されるとした上で「米軍の中枢部が何を考え、どんな戦略を描いているかを日本側が身近に感じることができる」と強調した。




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