原子力規制委人事案:民主執行部が対応苦慮、党内異論で
毎日新聞 2012年08月02日 23時28分(最終更新 08月02日 23時37分)
政府が国会に提出した原子力規制委員会の同意人事案に2日、民主党内から異論が相次いだ。同日の党政調の合同会議では人事案の差し替えを政府に要請。消費増税法案の参院採決を控え、新たな造反を誘発したくない党執行部は対応に苦慮している。
「経歴などを聞いて『問題ない』と説明を受けた。一方的な話しか聞いていなかったからね」。首相は1日夜、民主党参院議員約10人との会合で、規制委員長候補の田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問が「原子力ムラの住人」と批判されていることに困惑を隠さなかった。
2日朝に開いた同党の原発事故収束プロジェクトチーム(PT、荒井聡座長)と環境部門会議の合同会議では、田中氏の所信聴取での発言や経歴に疑問の声が続出した。消費増税法案の衆院採決で造反した鳩山由紀夫元首相も人事案の再考を求める声明を発表している。
民主からの離党組が結成した新党「国民の生活が第一」(生活)は、消費増税反対と脱原発が政策の2本柱。執行部は鳩山氏ら党内造反組が原発問題でも生活と連携して政権を揺さぶることを警戒する。