万年筆が、デジタル世代の高校生に見直されている。彼らには「新しい道具で、かっこいい」と映るようだ。この動きに大手筆記具メーカーも「新たな商品開発を急ぎたい」と話す。
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「うらやましい」――。 そうツイッターでつぶやいたのは、浜松市の浜松学芸高2年の佐々木敦君(16)。今年限定モデルの万年筆を手に入れたという書き込みを読んだからだ。
佐々木君は高校入学直前、インターネット上で万年筆を見つけて、初めて買った。それからネットオークションで買い集め、今では20本ほどに。勉強でもインクの色を分けて使い、左利き用も購入した。「万年筆に『古い』って感覚はありません。かっこいい、新しい道具です」という。
浜松市中区肴(さかな)町にある万年筆専門店「BUNG(ブング) BOX」。佐々木君と同じクラスの堀内健吾君(16)もここの常連だ。「力のかけ具合で文字に濃淡が生まれ、味が出る。パソコンじゃ絶対無理」