日向徹(小栗旬)が進めるパーソナルファイル管理システムの開発が遅れ、日向はいらだっていた。さらに、大手家電メーカーも同システムへの参入を表明、「NEXT INNOVATION」は正念場に立たされる。
一方、日向にクビを宣告され落ち込む
澤木千尋(石原さとみ)に、
小野遙香(野村麻純)は、日向に謝るなり償いをするなり、何か行動を起こすべきだと忠告する。
朝比奈恒介(井浦新)は、千尋をクビにしたのはまずかったのでは、と言うが、日向は国民の個人情報を預かろうとしている会社に偽名を使う人間を置いておくことはできない、と平然と返す。
そんな折、千尋は区役所に出向くと、そこにいた人々に役所や公的機関で不便に感じていることはないか、数年後に導入される「共通番号制度」に求める機能はないか、と聞き込み調査を行う。
日向は、自分が望むようなインターフェイスができないことに腹を立て、自ら作成すると言いオフィスに閉じこもる。そして、32時間が過ぎた頃、見かねた
安岡倫哉(浅利陽介)が日向を外に連れ出す。すると、そこで
朝比奈燿子(相武紗季)と出くわす。仕事で切羽詰まっていたふたりは、ともに休憩を取ることにする。
その頃、調査を続けていた千尋は、振り込め詐欺を疑われ、警察に連行されてしまう。深夜、警察から連絡を受けた日向はしぶしぶ千尋を迎えに行き、オフィスに連れて帰る。そこで、試作中のインターフェイスを千尋に試させるが、パソコンに不慣れな千尋は上手く操作できない。日向はイラつくが、同時に思った。機械は老若男女が使えなければダメなのだと。そこから千尋の意見も聞きながら、猛烈な勢いで新たなインターフェイス作りを始める。少しでも役に立ちたい千尋はもっと日向を手伝いたいが、これ以上することはないと言われ帰宅する。
やがて、インターフェイスを完成させ社長室を出てきた日向の目に、wallに貼られた付箋が入る。矢印の形をした付箋の先をたどると、小さな字で日向の母親である澤木千尋の住所が書かれていた。千尋が書き残したのだ。
その後、日向は朝比奈に連れられ、業務提携を予定する大手メーカー幹部との昼食会にやってきた。ところが、幹部たちはすでに食事を始めていて、到着した日向たちを見下したような発言をする。それに怒った日向は、契約書を汚れた皿の上で握りつぶすと、この契約はなしだ、と言ってその場を立ち去る。
会社に戻った朝比奈は、日向の態度を批判。自分たちには名前が必要なんだと説得するが、日向は聞く耳を持たない。それどころか、この会社を一流企業にしたい、と食らいつく朝比奈に、失望した、と言い放つ。
一方、千尋は日向に呼ばれて「NEXT INNOVATION」にやってくる。偽名を使ったことを許してはいないが、今回のプロジェクトに必要だからインターンとして働いてもらう、と日向は言った。そして、社員たちを集めると、改めて千尋を紹介。千尋はそこで、本名を「夏井真琴」だと明かした。
同じ頃、朝比奈は提携が白紙になった件を
山上芳行(佐野史郎)に報告していた。山上は朝比奈に同情し、会社は大丈夫なのか、と尋ねる。すると朝比奈は、これから金も会社ももっと大きくする、と力強く答えた。
日向は、閉店後の燿子のレストランでひとり食事を終えた。そんな日向に燿子は、自分と日向は9年前に会っていたのだ、と切り出した。夜行列車の中で出会い、ともにある駅で降り、1年後の再会を約束して別れたのだ、と。日向は、その約束を覚えている、自分は1年後に会いに行ったのだ、と記憶をたどるように答えた。しかし、燿子は自分は行かなかったのだ、と言った。その言葉に日向は、自分だけがバカみたいだ、と自嘲気味に言うと、立ち上がり店を出ようとした。すると、その腕を燿子が掴み、行かなかったというのは嘘で、ずっと待っていたのだ、と笑顔を見せ、日向にキスをした。
そんなふたりの様子を、店の外で真琴が見ていた。真琴は呆然と立ち尽くし・・・。