サンマ初水揚げ量が2011年の4%程度 まれに見る不漁
北海道・根室の港ではサンマ漁が本番を迎えた。
そして、毎年この時期、築地の場外市場ではとれたてのサンマが並ぶはずだが、ある店は2012年、サンマがどこにも見当たらなかった。
店の人は「例年なら(サンマは)もう来てるんですけど、1本1,000円以上して、数も少ない。よくお客さんが探しに来るけど、『まだないです』と断っている状態」と語った。
2012年のサンマ漁は、初水揚げの量が、2011年のわずか4%程度と、まれに見る不漁となっていた。
そんな状況に、塩焼きや刺し身などのサンマ料理が看板メニューとなっている、東京・品川区の「駒八 目黒さんまセンター」では悲鳴が上がっていた。
社長は「今はきつい時期ですね。1本1,000円で売ってたり、われわれでも(卸値が)300円から400円するので。(商品は)原価スレスレで(出している)」と語った。
価格は上げていないというが、この店の系列店では、やむなくサンマの取り扱い自体を中止にしたという。
先週の卸価格は、高いもので1kgあたり6,300円と、2011年の同じ時期の1.5倍。
さらに、水産庁が7月31日に発表した、2012年度のサンマ漁の予報では、北海道から三陸までのサンマの推定資源量が、2011年に比べて3割以上も減少するとしている。
サンマ減少の理由について、水産総合研究センター東北区水産研究所の巣山 哲主任研究員は「海全体で減っているというよりは、日本に近いところで減っている。日本で近いところで減った理由はわからない」と語った。
サンマの推定資源量分布図を見ると、年を追うにつれ、サンマが沿岸に近づかなくなっている様子がわかるが、その原因は不明。
気になる秋以降の状況について、巣山主任研究員は「沖合の方には、例年と同じくらいの魚がいますので、サンマが全然来ないことは考えられない」と語った。