キャリアにおける「パワプロ成長論」—時間という有限ポイントの分配について

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2012/08/02


限られている仕事の時間をどう配分するか、というテーマは常に考えるようしています。


「成長ポイント」を配分する

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パワプロでも何でも良いんですが、ゲームの世界では「キャラクターの能力に成長ポイントを振り分ける」ことができたりします。

上の画像は僕をネトゲ廃人にしたラグナロクオンラインです。6つのステータスに、ポイントを配分できるわけですね。ここで「INT(知性)」に振れば「魔術師」として活躍しやすくなり、「DEX(技術)」に振れば「ハンター」としての能力が高まります。

一つのキャラクターが獲得できる成長ポイントは有限なので、プレーヤーはどこにポイントを配分するかで悩み抜くわけですね。僕もネトゲにハマってた時代は、色々シミュレーションをして最強の配分を計算していたりしました。

成長ポイントの分配に失敗すると、競争優位性のないキャラクターが仕上がってしまいます。そして、その変化は基本的に不可逆的で、新しく育て直す羽目にはったりします。


実世界の成長ポイントは「時間」

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photo credit: h.koppdelaney via photo pin cc

ゲームにおける「成長」の考え方は、僕がキャリアを考える際にも生きていたりします。無駄にハマってたわけじゃないのです。

ゲームにおける「成長ポイント」の実世界版は、「時間」だと考えています。

「時間という有限なポイントを、どこに振り分ければ最強なのか?」という問いと向き合う、ということです。


僕はサラリーマン時代、「パワポでの資料制作スキル」「ExcelによるA3資料作成スキル」「上司のハンコを貰うための資料作成スキル」などを磨きましたが、正直、フリーランスの今はどれも役に立っていません。

もちろん、これらのスキルを得る過程で得た「デザインセンス」「文書作成能力」などは無駄にはなっていませんが、あくまでそれらは副産物的なものに過ぎないと思います。

どうせ時間を使うなら、ユニバーサルで、今後長く使えるスキルの習得に時間を費やすべきです。僕の場合は、「上司のハンコを貰うための資料作成」をできるようになるヒマがあったら、英会話でも学習していた方が身のためになっていたはずです(繰り返しですが、100%無駄というわけではないです)。


「成長ポイントを自由に分配できる環境」を確保する

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photo credit: vaXzine via photo pin cc

経験上、会社員でいるデメリットの一つは、ともすると自分が磨きたいスキルを磨けない可能性があることです。下手すると営業なんてやりたくないのに、強制的に営業というスキルを磨かされたりします。よほど大きな裁量がない限り、成長ポイントを自由に分配することは基本的に難しいでしょう。

僕自身は、フリーランスになってスキルポイントの配分がだいぶ自由になりました。現在は、

・ブログ執筆に毎日3時間以上
・ウェブデザインに毎日1時間以上
・取材に毎月10時間以上

といった時間の配分を意識的に行っています。もう少しビジネス的に余裕が出てきたら、プログラミングや英会話も毎日1時間以上学びたいところです。現時点のプライオリティとしては、執筆>ウェブデザイン>簡単なプログラミング>英会話という感じ。


フリーランスであろうが会社員であろうが、「成長ポイントを自由に分配できる環境」を持つことは重要です。ワークシフト」にもありましたが、会社など、特定の環境でしか通用しないスキルに多大な時間を割いてしまうのは危険だと思います。

ゼネラリストと会社の間には、社員がその会社でしか通用しない技能や知識に磨きをかけるのと引き換えに、会社が終身雇用を保障するという「契約」があった。

問題は、そうした旧来の終身雇用の「契約」が崩れ始めたことだ。ゼネラリストがキャリアの途中で労働市場に放り出されるケースが増えている。そうなると、一社限定の知識や人脈と広く浅い技能をもっていても、大して役に立たない。

(本)リンダ・グラットン「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図」

「望ましい成長ポイントの分配が可能か?」という問いは、会社を選ぶ重要な基準の一つでしょう。あまりにもギャップがある場合は、環境を変えることも大切だと思います。


今日は執筆に6時間程度時間を割き、ブロガーとしての生産性を高めたいと思います。「1万時間の法則」を僕は信じているので、誰も真似できないほど時間を割き、努力していきたいと考えています。


関連本。最近流行りの「新しい働き方」系では決定版です。これ読んでおけば他はいらないかも。

「1万時間の法則」について扱った大ベストセラー本。原著は100万部以上売れているとか。