特集ワイド:小沢一郎氏が掲げる脱原発 少なくともブレてはいない
毎日新聞 2012年08月01日 東京夕刊
新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が、「反増税」と共に掲げるのが「脱原発」だ。反原発デモが日常風景となった今、選挙目当ての「あめ玉」なのか、「改革者・小沢」の3・11後の真情なのか。【宮田哲】
◇本気か人気取りか…期待と批判の声、半ば
◇「安易な依存、反省すべきだ」 「過渡的エネルギー」主張も
「再稼働反対」「いのちを守れ」のシュプレヒコールが響く東京・永田町。毎週金曜、首相官邸前では関西電力大飯原発の再稼働撤回を政府に求める抗議行動があり、参加者は7月20日には主催者発表で9万人(警察調べで約7000人)に上った。29日の日曜日は、同20万人(同1万数千人)が国会を取り囲んだ。
官邸前デモの参加者に、小沢氏について聞いてみた。東京都八王子市の無職女性(64)は「信頼できない。コロコロと言うことが変わるから」。千葉市美浜区の大学3年生男子(21)は「選挙目当てに一過性で終わる反原発ならやめてほしい。危険な活断層のある原発を全部調査して、それが終わるまで全原発を停止させるくらいのことを言うなら本気だと認めます」。厳しい声の一方で、東京都板橋区の映画館従業員、竹崎由里子さん(28)は「応援します。そういう声をあげた議員を応援していかないと、政治は絶対動かないと思うから」と期待する。