ウェブマスター ツールの新機能: クロール エラー の通知

2012年7月27日金曜日 | 17:14

Google はこの度、クロール時にサイトの状態に何か問題を発見した際にウェブマスター ツールのメッセージ センターにアラートをお送りするクロール エラー の通知を開始いたしました。

皆さまのサイトには、Googlebot が定期的に(一定の間隔とは限りませんが)訪れています。そのため、サイトで接続の問題や HTTP エラー コード(例: 404 File Not Found、403 Forbidden、503 Service Unavailable 等)を返すページが急増したことを察知することができます。Googlebot がアクセスした際にタイムアウトやシステムエラーが発生しているということは、他の訪問者がサイトを訪れた時にも同様の問題に遭遇している可能性があります。

そこで、そのようなエラーを検知した場合、Google はウェブマスター ツールの メッセージ センター へのメッセージという形でアラートを送信し、検知結果をお知らせすることがあります。このメッセージが、あなたのサイトへの訪問者や、サイトの検索結果に影響しかねない潜在的な問題の解決に繋がれば幸いです。

こちらの ブログ記事 でウェブマスター ツールの クロール エラー の新機能についてお伝えしましたが、そこでも述べているように、クロール エラーはサイト エラーと URL エラーの 2 種類に分類されます。

サイト全体に影響する問題を知らせる、サイト エラー アラート
サイト エラーとは、サイトに接続不能となる状態のことを指し、特定のページの問題ではなくシステム的な問題のことを表します。サイト エラーを起こす問題には以下のようなものがあります:

  • DNS サーバーがダウン、または設定が誤っている。
  • ウェブサーバー自体にファイアウォールによるアクセス制限がかかっている。
  • ウェブサーバーが Googlebot からの接続を拒否している。
  • ウェブサーバーが過負荷またはダウンしている。
  • サイトの robots.txt にアクセスできない。
これらのエラーはサイト全体に影響するものであり、しっかりと運営されているサイトではほとんど発生しないものです(Googlebot がクロールする大半のサイトで、このようなエラーは起きていません)。Googlebot によってこれらのサイト エラーが相当数検出された場合、サイトの規模に関わらず、メッセージ センター へのメッセージという形でアラートをお送りします。

サイト エラー アラートの例

アラート メッセージには Googlebot がサイトをクロール中に遭遇したエラーの数、サイト全体のクロール エラー接続率、データをより詳細に検討するためのウェブマスター ツール ページへのリンク、および問題解決のための提案が列記されます。

これらのカテゴリの内の 1 つでエラー率が 100 パーセントとなる場合は、サイトがダウンしているか、何らかの設定が誤っている可能性があります。逆にこれらカテゴリのいずれかでエラー率が 100 パーセント未満の場合は、一時的な現象であることも考えられますが、サイトが過負荷になっているか構成が不適切である可能性も捨てきれません。問題を更に詳細に調査するか、フォーラムで質問をしてみてください。

全体のエラー率がかなり低くても、アラートをお送りする場合があります。Google の経験則として、しっかりと設定されたサイトでは、上記にあるようなタイプのエラーはほとんど発生しないはずだからです。

重要性の比較的低い問題に対する、URL エラー アラート
サイト エラーが相当数検出される場合、サイトの誤設定、過負荷、または単純にサービス停止などが疑われますが、URL エラー(非 200 HTTPコードを返す、またはソフト 404 エラーの場合に HTTP 200 コードを誤って返す)はしっかりと構成されたサイトでも発生し得ます。ページや外部リンクの数はサイトによって異なるため、小規模なサイトにおいて深刻な問題を示唆するエラー数は、大規模なサイトの基準からすると、完全に正常だということも考えられます。

そこで URL エラーに対しては、5 つのエラー カテゴリ(サーバーエラー、ソフト 404、アクセス拒否、見つかりませんでした、クロールを完了できませんでした)のいずれかでエラー数の急上昇が検出された場合にのみアラートをお送りしています。例えば、サイト内の 100 ページで定期的に 404 エラーが発生しており、そのエラー数の変動が少なければ、アラートは送られません。しかし、エラー数が 500 や 1,000 などに急上昇した場合にはアラートが送信される可能性があります。一点ご注意いただきたいのは、404 エラーそれ自体が必ずしも悪いのではなく、健全なウェブサイトにはごく自然な現象なのだという点です。(以前のブログ記事、404 はサイトに悪影響を与えますか?をご参照ください)。

エラー数急増は、サイトに何らかの変更があったためと考えられます。例えば、設定によってサイトの一部のパーミッションが変更された、最近バージョンアップしたスクリプトが定期的にクラッシュしている、誰かが誤ってディレクトリを丸ごと移動または消去してしまった、またはサイトの構成の変更によってサイト外からのリンクがリンク切れになってしまった、などの可能性が挙げられます。もちろん、エラー数の急増が一過性のものだったり、外部要因(存在しないページへリンクされた等)によるものだったりするかもしれませんので、問題が存在しないこともあり得ますが、異常な数のエラーが発生しているのを検知した場合は調査ができるようアラートを送信します。

URL エラー アラートの例

アラートには、急増したウェブ エラーのカテゴリ、問題が発生していると思われるページを確認できるウェブマスター ツールの適切なセクションへのリンク、問題解決への提案が列記されます。

メッセージを普段お使いのメールアドレスへ転送する
アラートを確認するためだけに ウェブマスター ツール をチェックするのは少々手間がかかると言えるでしょう。そんな時は メッセージの転送機能 をご利用ください。ご希望のメールアドレスにウェブマスター ツールのメッセージを転送します。

この新機能に関するコメントやご意見・ご感想は、ウェブマスター ヘルプフォーラム までお寄せください。

Google 検索が、高品質なサイトをよりよく評価するようになりました

2012年7月18日水曜日 | 11:43

Google はこれまで 良質なサイトをユーザーに届けること に力を注いできました。その一環として、2011 年には、通称"Panda アップデート"と呼ばれる アルゴリズムの変更を 英語その他多くの言語 において実施しています。この"Panda アップデート"はこれまで日本語や韓国語など一部の言語では実施されていませんでしたが、本日 Google は、日本語、韓国語でも実施したことをお知らせします。

このアルゴリズムの変更では、低品質なサイトの掲載順位を下げ、同時に、良質なサイトの掲載順位をより適切に評価します。例えば、ユーザーにとってあまり価値のないサイト、利便性の低いサイト、他のサイトからのコピーで構成されているようなサイトの掲載順位は下がります。一方、独自の研究や報告、分析など、ユーザーにとって重要な情報を提供しているサイトの掲載順位はより適切に評価されるようになります。この変更は、日本語、韓国語ともに約 4% の検索結果に影響する見込みです。

このアルゴリズムの変更が多くの検索ユーザーにとって有益なものとなれば幸いです。

HTML と CSS のコーディングガイドライン

2012年7月12日木曜日 | 11:00

優れたコードは効果的で、効率的で、保守性に優れ、洗練されているものです。時には会社すらまたがるような大勢の開発者間やチーム間でコーディングを進める場合、コードには一貫性があり、理解しやすいものでなければなりません。それを実現するために、スタイルガイドがあります。Google では様々な言語のスタイルガイドを使用していますが、その中で Google が最近公開したものが、Google HTML/CSS Style Guide(英語)です。

この HTML & CSS Style Guide は、Google の他のスタイルガイド と同様に、インデントのようなフォーマットのルールに関するガイドから、さらに進んで開発者はコードをこう書くべしという現実的なベストプラクティスが記述されています。スタイルガイドを書く側からすると、現実的なコードの書き方を基軸にするか、理想的なスタイルを基軸にするかのどちらがいいか、というところがスタートポイントになることが多いのですが、Google の HTML/CSS Style Guide はその両方を満たすように書いています。

この最新版のスタイルガイドを今回みなさんにご紹介しますので、ぜひご活用いただければと思います。将来的にはその設計思想やアップデートについてもお知らせしたいと思います。

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サイトの所有権の確認手続きが簡単になる新しい取り組みについて

2012年7月6日金曜日 | 17:00

本日は、ウェブマスター ツールGoogle Apps などの Google のサービスにおいて、サイト(ドメイン)の確認がより簡単になる新しい取り組みについてご紹介します。
※こちらの取り組みは海外の事業者との提携によるものですが、日本でもご利用可能ですので、ご紹介させて頂きます。

Google の特定のサービスを利用する際に、検索クエリなど、機密性の高いデータを表示するため、ユーザーにサイトやドメインの所有権の確認が求められる場合があります。

その際に私たちがサポートしている確認方法の 1 つは、ドメイン レジストラを利用した確認方法 です。現在この方法は所有権を証明するために、ユーザーが手動で DNS の TXT レコード を作成する必要があります。多くのユーザーにとって、これは難易度が高く、実施が困難な場合があります。

そこでドメインの取得に Go DaddyeNom を利用されている場合、ガイダンスに従っていくつかの簡単な手続きでドメインの確認をしていただくことでウェブマスターツールにも簡単に登録できる、シンプルな所有権の確認方法を導入しました。

サイトの所有権の確認をする際に、そのドメインが eNom または Go Daddy で管理されている場合、次のような画面が表示されます。



この確認方法を選択するとポップアップウィンドウが起動し、ログイン画面が表示されますので、ドメインを管理している事業者に登録しているアカウントの ID とパスワードを使用してログインしてください。
※以降の手続画面は英語となります。



初回ログイン時には、Google のサイトの所有権の確認手続きにあなたを代理して事業者がアクセスすることを承認するよう求められます。



次にサイトの所有権の確認画面になりますので、このドメインの所有権の確認をする場合は "Yes" を選択してください。



手続きは以上です!手続きが終了するとすぐにあなたのドメインが自動的に登録され、確認メッセージが表示されます。



また、Bluehost をご利用のお客様は、近い将来今回ご紹介した簡単な確認手続きをご利用いだけるようになります。Google はさらに多くのユーザーに簡単に所有権の確認手続きをご利用頂けるよう新たなパートナーとの提携を検討しています。この取り組みに関心のある日本のドメイン登録サービスやホスティングサービスの方は こちらのフォーム からご連絡ください。

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ウェブマスター ツールから Google スプレッドシートに直接ダウンロード 可能になりました

2012年6月29日金曜日 | 11:00

ウェブマスター ツールに、Google スプレッドシートから直接データをエクスポートする新たなダウンロードオプションが追加されたのはお気づきでしょうか?ダウンロードオプションは、クロールエラー、検索クエリ、およびサイトへのリンクなど、大量のデータを扱うほとんどの機能で利用可能です。Python スクリプトAPI を使用してのデータのダウンロードは以前から可能でしたが、そうしたスクリプトの操作にあまり馴染みのない方のために今回簡単にデータをダウンロードできるようにしました。ウェブマスター ツールの検索クエリなどのページで「このテーブルをダウンロード」ボタンをクリックすると、ダウンロード形式の選択オプションが表示され "CSV"データをダウンロードするか"Google ドキュメント"にダウンロードするかを選択できます。



“CSV” ボタンを選択すると CSV 形式でデータのダウンロードを開始します。この機能はこれまでも ウェブマスターツールで利用可能であったもので、エクセルなどの表計算ツールでインポートして利用可能です。"Google ドキュメント"オプションを選択すると、データは新規に作成された Google スプレッドシートに保存され、ブラウザの新しいタブで表示されます。

サイトのデータを簡単に Google スプレッドシートにダウンロードできるようになったことにより、データの分析が少しでもより早く、より簡単になれば幸いです。Web ブラウザだけであなたのデータを切り出して瞬時にチャートを作ることができるようになりますので、重要な変化の特定やより長い期間におけるあなたのサイトのトレンドのトラッキングなどが容易になります。

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