2012年6月26日 Posted by 藤井彰人 エンタープライズ部門 シニア プロダクト マーケティング マネージャー
本エントリは、Urs Hoelzle, Senior Vice President for Technical Infrastructure による Google Green Blog 記事の日本語訳です。
クラウド コンピューティング を具現化するために、Google では
エネルギー効率の高いデータセンターの設置に力を注いでいます。Google Apps のようなクラウドサービスを利用するということは、
作業効率の向上に貢献するだけではなく、エネルギー消費量および二酸化炭素排出量を減少させ、コスト削減にもつながります。
私たちが昨年調べたところ、一般的な社内メールシステムの利用に比べ、Gmail は
最大 80 倍のエネルギーの効率の向上(PDF: 英語)を可能にすることが判りました。今年はさらに範囲を広げ、ドキュメント、表計算、メールおよびその他のアプリケーションを含む Google Apps 全体のエネルギー効率を通常のローカルにホストされたソフトウェア形態と比較して検証したところ、企業や自治体が Google Apps への移行によって
達成できる省エネ効果は、約 65〜85%(PDF: 英語)となりました。
エネルギー消費量の低減は二酸化炭素排出量を減少させ、組織全体の省エネに繋がります。先日の
米連邦政府調達局(GSA)の 17,000 人の Google Apps for Government への移行により、GSA におけるサーバーの約 90% の省エネ、および二酸化炭素排出量の 85% 削減が達成されました。これを金額に換算すると年間想定 285,000 ドルにもなり、エネルギーコストにおいては 93% の削減が達成される計算になります。
クラウドは、なぜこのような省エネが可能なのでしょうか? 理由はサーバーが使用するエネルギーおよびサーバーの冷却にあります。
通常、企業や自治体は、バックアップ、そしてデータ量の急激な増加やエラーに備えて、実際に必要とする容量以上にサーバーを保有し使用しています。一方、Google のようなクラウドサービスプロバイダーでは、数千人以上のユーザー単位の要求をまとめて扱うため、個々のサーバーの使用率は非常に高くなります。加えて、私たちのデータセンターで使われている機材やソフトウェアは、
エネルギー消費量を低く抑えることができるように特別に設計されています。つまり同じ作業を行うにしても、クラウドはローカルのサーバーに比べて効率的です。
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)による
試算では、米国ならびにヨーロッパの売上高10 億ドル以上の企業がクラウドに移行すると、2020 年までに可能となるエネルギーコストおよび二酸化炭素排出量の削減率は次のようになっています。
米: 123 億ドルおよび最大 8570 万トンの CO2 の削減
英(PDF): 12 億ポンドおよび 920 万トンの CO2 の削減
仏(PDF): 7 億ユーロおよび 120 万トンの CO2 の削減
Google は、優れたエネルギー効率を持つデータセンターを世界中に設置しています。さらに、こうしたデータセンターが自然環境を最も効果的に活用できるよう設計し、継続的な機能向上にも努めています。私たちは、Google Apps のようなクラウドサービスが、未来の省エネに貢献できると信じています。