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東京女学館大「経営難」、閉校に反発

TBS系(JNN) 8月1日(水)19時9分配信

 東京の私立大学の閉校をめぐって学校と学生側が対立しています。4年後に閉校することを決めたのは東京女学館大学。学校側は大学閉校の理由について「赤字なので経営は困難」と説明。これに対して学生や保護者は、「学校法人全体は黒字だから存続できるはず」と主張しています。少子化で厳しくなっている私立大学の経営、学生側の不満は膨らんでいます。

 「今日、何回目の説明会ですか?」(出席者、今年5月)

 これは今年5月、学校側が学生や保護者を対象に閉校の方針を説明するために開いた会の内部映像です。

 「預からせてもらっています」(理事長)
 「預かるだけで・・・」(出席者)
 「ちゃんと検討します」(理事長)
 「預かるとか検討しますばかりで、何も検討していないじゃないですか!」(出席者)

 詰め寄られているのは、学校法人・東京女学館の福原孝明理事長。学校側は、今年4月に来年度の学生の募集停止と、4年後の大学閉校の方針を決定。突然の決定に学生たちは反発しているのです。

 閉校の方針に憤る学生の1人、3年生の成田真帆さん。大学側から事前の説明は一切なく、報道で閉校の方針を知ったといいます。

 「怒りと今後どうすればいいのという不安と両方あったと思います」(大学3年生・成田真帆さん)

 入学希望者向けの大学説明会を実施するサークルに所属していましたが、活動の中止を余儀なくされました。

 「経営者をかえて学校だけを続けるとか、こうすればいいじゃんという思いは多くある」(成田真帆さん)

 東京女学館大学の授業料は他の文系の私大より高く、年間120万円。さらに、国から3億7000万円近い助成金を受けています。では、なぜ経営に行き詰ったのでしょうか。大学は10年前、短大から4年制に移行しましたが、その当初から“定員割れ”が続いているのです。文科省などによりますと、小中高を含めた学校法人としての東京女学館は黒字経営ですが、大学部門は赤字に陥っています。学校側は、「大学経営を続けるのが困難となったため」と説明したといいます。

 「収支が悪化している状況を改善できていない執行部が、そのままで良しとしているのかどうか」(出席者、今年6月)
 「そのご質問は、今回の説明会に直接関係ありませんので」(理事)
 「判断の根拠になっているんですよね。非常勤の方に聞いてみてください」(出席者)

 「無事、これから勉強が落ち着いてできるのかなって心配はあります」(大学1年生)
 「今、消えたら就職・転職したいというときに、大学がないのは非常に困る」(卒業生)

 関東の4年制大学での募集停止は東京女学館が初めてですが、全国の私立大学の実に4割が定員割れとなっています。まさに、“大学生き残り”の時代。教育の質の向上と経営努力が求められているのです。

 「学生の本当の気持ちをどうやったら捕まえられるのか。そのことと経営との折り合いですよね。そのセンシティビティー(感度)をもっと大学が持つことが大事」(独立行政法人 日本学術振興会・安西祐一郎理事長)

 東京女学館大学の存続を求める学生の保護者らは記者会見を開きました。学生らは気落ちして以前の活気が失われ、転学を考えている学生も出ているといい、保護者らは、「どのような道でも存続していくように活動していきたい」と改めて訴えました。(01日17:05)

最終更新:8月1日(水)21時16分

TBS News i

 

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