米大統領:イラン追加制裁を発動 石油取引資金封じる
毎日新聞 2012年08月01日 10時40分(最終更新 08月01日 11時19分)
【ワシントン白戸圭一】オバマ米大統領は31日、核開発を続けるイランのエネルギー・石油化学産業などを標的とする追加制裁を発動した。一方、米議会では民主、共和両党が新たな対イラン制裁法を制定することで合意し、早ければ1日にも下院で採決される見通しだ。11月の米大統領選・議会選が近づく中、ユダヤ系有権者の動向に敏感な米政権・議会では、イランの核開発に危機感を抱くイスラエルに配慮した超党派の圧力強化路線が再び勢いを増している。
31日に発動された追加制裁は、「イラン国営石油」など2社からの石油購入の代金決済を担当した外国金融機関を米金融市場から排除する内容。既にオバマ政権は、石油輸出代金決済のためにイラン中央銀行と取引した外国金融機関への制裁を実施している。追加制裁には、石油輸出によってイランが手にする資金を徹底して遮断する狙いがある。
また、オバマ政権は同日、中国の「崑崙銀行」とイラクの「エラフ・イスラム銀行」が昨年、大量破壊兵器拡散に関与したイラン企業と金融取引したとして、2行を制裁対象に指定し、米金融市場から排除した。