クローズアップ2012:水俣病特措法、解決なき「期限」 救済申請、今月末締め切り

毎日新聞 2012年07月29日 東京朝刊

水俣病特措法の締め切り期限撤回を求めて衆院第2議員会館前で座り込みをする人たち=東京都千代田区で2012年7月3日午後2時38分、西本勝撮影
水俣病特措法の締め切り期限撤回を求めて衆院第2議員会館前で座り込みをする人たち=東京都千代田区で2012年7月3日午後2時38分、西本勝撮影

 水俣病の症状がありながら、国の基準では患者と認められなかった人を救済するための水俣病被害者救済特別措置法(特措法)に基づく救済申請が今月末で締め切られる。なお多くの潜在被害者が残るとみられる中で、患者団体は「締め切りは患者切り捨てだ」と反発するが、国は申請期限の延長や撤廃に応じない方針だ。「公害の原点」と言われる水俣病は1956年の公式確認から56年。国が掲げる「最終解決」は見えないまま、期限を迎える。【西貴晴、藤野基文】

 ◇潜在被害者多く

 「(申請を締め切れば)水俣病の終結はあり得ない」

 今月18日、環境省。最大の患者団体「水俣病不知火(しらぬい)患者会」(熊本県水俣市、約6000人)の大石利生会長(72)は特措法による救済申請期限の撤廃を求める約10万人分の署名を提出した後に記者会見し、締め切りを見直さない国を批判した。

 受け付け開始から2年2カ月で申請者は、5万7589人(6月末)に達し、既に環境省の想定の約3万人を大きく上回っている。

 患者会と民間の医師団は6月、熊本、鹿児島両県で1396人を対象に集団検診を実施し87%にあたる1213人に感覚障害を確認した。9割が初めての受診で検診に携わった藤野糺(ただし)医師(70)は「苦しんでいる被害者がまだ多くいる。国は水俣病問題にふたをしようとしている」と批判する。

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