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【明日へのフォーカス】論説副委員長・高畑昭男 「日の丸」に胸がときめく
2012.8.1 03:30
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ロンドン五輪で柔道女子の松本薫選手が日本の金メダル第1号を獲得した瞬間、背筋がぞくぞくした。
サッカー男子が“無敵艦隊”スペインに続いて強豪モロッコを下した時も、同じように感激した。
日本から1万キロ近く離れた会場から臨場感が肌に伝わり、感動と興奮を共有できる理由は一つだ。彼ら、彼女らが日の丸を背負って、「われらの代表」として世界の強豪と戦っているからだろう。
国旗・国歌に批判的な人も日本人が表彰台に立てばうれしくなるのが同胞意識であり、自然な愛国心だ。五輪がもたらす胸のときめきの源泉には、そういう素朴なナショナリズムの絆があるのだと思う。
日本選手団の先頭で旗手を務めた吉田沙保里選手が「国旗の重みを感じています」と語った言葉も、そんな思いがにじみ出たのだろう。
しかし、そうした感情を権力者はしばしば国際政治に利用しようとする。前回(2008年)の北京五輪は、ものものしい「護衛隊」つきの聖火リレーやチベット問題なども絡んで露骨な「国威発揚の道具」と映った。ヒトラーのベルリン五輪(1936年)にも似た中国批判が世界で噴出したのは記憶に新しい。
私が五輪を現場取材する機会に恵まれたのは、後にも先にも84年のサラエボ冬季五輪だけだが、これについては今でも忘れられない思い出がある。
当時の開催国ユーゴスラビア連邦は3つの宗教、4つの言語、5つの民族、6つの共和国からなる複雑で多様な国だった。旧東欧・ソ連圏の中で「最も開かれた社会主義国」とされ、西側からも「優等生」の扱いを受けていた。
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