ロンドン五輪:シン・アラム判定疑惑検証=フェンシング女子

(1)終盤の攻撃時間合計すると1.56秒…それでも電光掲示板は1秒

(2)最後の攻撃前に残り0.37秒だったが…審判が突然1秒に戻す

(3)相手選手「1秒が1.99秒のことも」…標準科学研「0.01-1秒という意味」

(4)国際フェンシング連盟ミス認める…訂正案めぐり協議中

 国際フェンシング連盟(FIE)は先月31日(以下、韓国時間)午前に行われたロンドン五輪フェンシング女子エペ個人準決勝で韓国のシン・アラムがメダルを逃したことについて、主催側のミスを認めた。FIEは31日午後11時30分の時点で運用上問題があったことを大韓体育会に対し認め、補償案をめぐり協議を行うことが分かった。

 韓国選手団の関係者が「FIEは計時装置の機械的限界を認め、タイムキーパー(計時係)の運営未熟も認めた」と述べた。

 シン・アラムは、英国ロンドンのエクセル展覧会センター(エクセル・ロンドン)で行われた同種目準決勝で、北京五輪金メダリストのブリッタ・ハイデマン=ドイツ=と対戦、終了1秒前の時点で5-5と並んでいた。試合前の抽選で「延長でも同点で終われば勝利する」というプリオリテ(優先権)を得ていたシン・アラムの決勝進出は有力と思われた。

 ところが、おかしなことに時間はこの時点で止まってしまったようだ。その後3回プレーが行われてハイデマンの最後の攻撃が認められただけでなく、試合が終わった時も電光掲示板の残り時間は1秒だった。シン・アラムは納得できないというように1時間以上もピスト(フェンシングの試合用コート)に座り込み、無念さを訴えた。しかし判定は覆らなかった。平常心を失ったシン・アラムは3位決定戦で孫玉潔=中国=に11-15と逆転負けした。

■「タイムキーパーは15歳の少女」

 韓国選手団は、タイムキーパーと審判の運営経験不足がこうしたとんでもない結果につながったとみている。国際フェンシング連盟審判員のキム・チャンゴン氏は「試合後に確認したところ、タイムキーパーを務めていたのは英国の15歳の少女ボランティアだった」と語った。

 フェンシングのタイムキーパーは審判の「アレ(始め)」の合図を見て時計を動かし「アルト(やめ)」の合図を見て時計を止める。得点が入ったときは電子装置により自動的に時計がストップするため、タイムキーパーは関与しない。経験豊富なタイムキーパーは合図と同時にボタンを押すが、経験が少ないと合図よりも早く、あるいは遅くボタンを押すことがよくある。キム・チャンゴン氏は「フェンシング経験者がタイムキーパーを主に務める韓国の大会や国際大会とは違い、五輪では主に大会組織委員会が一定期間教育したボランティアが起用される」と話す。

ロンドン= 姜鎬哲(カン・ホチョル)記者
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